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那須川天心が判定負け、ファンに土下座 世界初挑戦で元王者・井上拓真に 格闘技55戦目で初黒星

[ 2025年11月24日 21:35 ]

WBC世界バンタム級王座決定戦   同級1位・那須川天心(帝拳)<12回戦>同級2位・井上拓真(大橋) ( 2025年11月24日    トヨタアリーナ東京 )

<WBC世界バンタム級王座決定戦那須川・井上拓>客席に向かって頭を下げる那須川(撮影・島崎忠彦)
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 ”神童”がついに負けた。WBC世界バンタム級1位の那須川天心(27=帝拳)が元WBA世界同級王者でWBC同級2位の井上拓真(29=大橋)に0―3の判定で敗れ、王座獲得を逃した。プロボクシング転向8戦目での初黒星で、格闘技55戦目でついに初黒星を喫した。判定は2人が116―112、117―111が1人。完敗だった。

 世界挑戦はまだ早かったのか。天心に厳しい現実が待っていた。第1ラウンドから主導権を握り、サウスポーで動きを最小限にして井上拓真のパンチに合わせていく。井上が中に入ろうとしたが、天心は左オーバーハンドを当てた。第2ラウンドも相手の小刻みな動きをしっかりと見極め、カウンターを当て、拓真をぐらつかせた。しかし、第3ラウンドからさらに距離を詰めてきた拓真にパンチをもらう場面も増えた。4回終了時点では38―38のイーブンで序盤を終えた。

 第5ラウンドからは、さらに距離を詰めてきた拓真に先にパンチを出される展開でなかなかリズムがつかめない。それでも第8ラウンドは先にパンチを出して主導権を戻そうとした。76―76、75―77、74―78と相手にリードを許した。

 ポイントを取るしかない天心は、ガードを下げた構えで距離を取り、ノーガードからパンチを打ち分けたが、拓真に有効打を当てることはできなかった。

 判定を聞いた天心は手を叩いて勝者を称えた。拓真には「またお願いします」と話した。そして観客に向け正座して頭を下げた。

 世界初挑戦でも天心は変わらないように見えた。対戦決定後は「自分の幽霊を見せる」「スーパーゴーストカミカゼアタックを出す」などの発言で世間の注目を集めた。一方で、一発での世界ベルト獲りへ準備には余念がなかった。独自のスタイルを追求するため、ドジャース・山本由伸投手と同じ矢田修トレーナーに師事。「BCトレーニング」で動きの効率性を高めてきた。食事や体のメンテナンス法を見直し、試合前には一度もケアやマッサージを受けなかった。ボクシング転向から約2年半。“天心にしかできない”世界戦仕様の新スタイルをつくり上げたが、世界戦7試合目の拓真に“世界レベル”を見せつけられた。

 これまで対戦が待望されていた、前WBO世界バンタム級王者・武居由樹(29=大橋)が9月に陥落。同じキックボクシング出身の“ライバル”との夢対決は来年にも、ベルトを懸けずに対戦することになりそうだ。キックボクシング、総合を含め公式戦55戦目での初黒星となったが「負けを受け入れる覚悟もある」とも話していた。何が足りなかったのか――。再挑戦へ向け自問自答を繰り返す時間が、天心を強くするはずだ。

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