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井上拓真が天心倒した!13カ月ぶり世界王座復帰 尚弥も声枯らし後押し“ボクシングのプライド”示した!

[ 2025年11月24日 21:34 ]

WBC世界バンタム級王座決定戦   同級2位・井上拓真(大橋)<12回戦>同級1位・那須川天心(帝拳) ( 2025年11月24日    トヨタアリーナ東京 )

<WBC世界バンタム級王座決定戦那須川・井上拓>(左から)父・真吾トレーナー、井上拓、兄・尚弥(撮影・島崎忠彦)
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 天心を倒したぞ!前WBA世界バンタム級王者の井上拓真(29=大橋)が世界初挑戦の那須川天心(27=帝拳)を判定3―0で破り、3度目の世界王座獲得に成功した。“ボクシング界代表”としてキックボクシング42戦無敗の“神童”に公式戦初黒星をつけ、約13カ月ぶりに世界王者に返り咲いた。

 拓真コールが耳をつんざく。12ラウンドの激闘を終え、お互いの健闘を称え合った。判定は2人が116ー112、1人が117―111と拓真が3―0で完全勝利を手にした。リング上のインタビューでは「戻ってきました!」と絶叫。「天心選手は強かった。天心選手がいたから、ここまで必死でやってこられた」と感無量の面持ち。再び兄弟で手にした世界チャンピオンベルト。「練習と気持ちで勝てた。今は本当に素直にうれしいです」とやり切った表情を見せた。

 入場では明らかに「拓真~」の声援が多かった。第1Rのゴングが鳴ると「那須川~」「拓真頑張れー!」「天心~」の声が飛び交い騒然。落ち着いて天心のパンチを見ながらジャブを放った拓真だったが、終了間際に天心の左ストレートを顔面に食らった。

 第2Rに入って天心のギアが上がり、拓真が攻撃を受ける時間が多くなる。序盤にスリップダウンすると会場はどよめき。その後の天心の右フックに「オオオ~っ!」と歓声が上がった。

 第4Rに入ると「拓真コール」が沸き起こり、声援に背中を押され攻勢。距離を詰め強烈な右を叩き込んだ。セコンドから兄・尚弥の「見えてる!見えてる!」の声が飛ぶ中、ジャブも届くようになり動きにもキレが増した。第4R終了後の公開採点は3者とも「38―38」。場内のボルテージは最高潮を迎えた。

 中盤は拓真ペース。第6R終了間際にはパンチの回転を上げリングを支配した。第8Rには完全に「拓真コール」が会場を覆う中で、闘志をむき出しにし攻勢を掛けた。2度目の公開採点は76―76 、77―75、78―74と最大4ポイント差をつけるなどリードを奪った。

 後がなくなった天心が変則パンチやガードで反撃を試みるが、拓真は冷静にパンチをさばきカウンターを狙う。そして第11Rにはアッパーの連打で天心に攻撃の隙を与えず。リードを守るだけでなく、攻めの姿勢を貫いた拓真が、無敗の天才に初黒星を付け、王座に返り咲いた。鳴り響く「拓真コール」。声を枯らしセコンドからアドバイスを送り続けた兄・尚弥も歓喜の雄叫びを上げた。

 昨年10月、同じ“95年世代”の堤聖也(角海老宝石)に敗れて世界王座から2度目の陥落。「ボクシングに対する気持ちが届いていなかった」。一時は引退も頭をよぎった。再起を決断したのは約1カ月後。拳の手術を経て、IBF王座を再起ロードに定めていた。

 そこへ舞いこんだのが、天心とのWBC王座決定戦の話だった。「天心とやらせてください。絶対、勝つから」。世界スーパーバンタム級4団体統一王者の兄・井上尚弥(大橋)も大橋秀行会長に訴えて実現したカードに、モチベーションは最高潮に高まった。尚弥からは天心と同じ左構えでアドバイスを受け、父・真吾トレーナーが「今回はリミッターを外してできた」と話すほど練習から自身を追い込んだ。「天心選手に勝って初黒星をつける」と宣言し、有言実行で復活を果たした。

 尚弥が返上したバンタム級のベルト4本再統一という目標へ、再びスタート地点に立った。次戦は来年5月、東京ドーム開催が計画される尚弥vs中谷潤人(M.T)戦の前座で堤と再戦する可能性も浮上。“天心に初黒星をつけた男”にとって、ふさわしい舞台となりそうだ。

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