落合博満氏 1勝129分けで優勝する。守備でお金が取れる「アライバ」は守備力で給料が上がった

[ 2026年3月5日 20:10 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(72)が5日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。中日監督時代を振り返り「井端だけじゃなく、みんなに助けてもらいました」と、チーム全員への感謝を口にしたが、優勝するために掲げた「ピッチャーを中心とした守りの野球」の中心となり勝利に貢献したのが侍ジャパンの井端弘和監督だった。

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 「能力は高かったよ。体力はあった」

 落合氏が長時間のノックで守備を鍛え上げたのは有名。その中でも井端、荒木の「アライバコンビ」の能力はずば抜けていた。

 「(ノック開始から)1時間過ぎても、1時間半を過ぎてもやめなかかったからね。やめる合図は自分たちでしろと。手からグローブを外すのが(ストップの)合図っていうね。こっちからやめるって言わないから、ずっと(ノックを)受けていたよ」

 そのノックには決め事があった。

「ダイビングは絶対ダメね。ダイビングしたら寝て休んじゃう。必ず正面に入って、股を割って、それで一塁に投げる。そこまでが1つのプレー。足で追っかけなきゃ。普通だと目で追っかけて“あっダメだ”って諦めるけども、足で追っかけるっていうのは追いつくもんなんだよ。目でとらえて身体に伝達するっていうふうになると足が動かなくなる。さきに諦めがきちゃうから」

 ただし試合になれば別。

 「ゲームになったらどんなボールでも捕ってアウトにすれば形はかまわない。練習の時だけは基本動作をきちっと身につけて全部のボールを処理する。練習とゲームではまるっきり別の考え方を持っていた。だから横で捕って投げることも、ランニングスローも練習では一切やらせなかった」

 そんな二人に対して落合氏は「井端も荒木も守りで給料上がってんだもん」。

 落合氏が監督として重きを置いたのは点をやらない野球。

 「ピッチャーが6回、7回を1点、2点で抑えてゲームは負けたとする。“俺はちゃんと投げたから”っていうんで、胸を張っているっていうピッチャーは、“査定はマイナスだよ”。1点、2点で抑えてもゲームとしては負けたら評価は低いんだよ。だから、1点も取れないんだったら1点もやるな。1点取ったら0で抑えろ。10点取ったら9点までで抑えろ。そういう野球の仕方。1勝129分けで優勝する。そのために後ろで守っている野手の力がどれだけ大きいか。ピッチャーは相当、井端に助けられたと思うよ」

 ノックで鍛え上げた「アライバコンビ」は打撃でもチームをけん引した。
 
 「荒木と井端は甲乙つけがたいって感じだったね。一瞬のスピードは荒木の方がある。持続的な体力は井端の方がある。(2004年は)1番・井端、2番・荒木で開幕したんだけども、どうも最初はしっくりこない。井端はどっちかというと待ちのタイプ。荒木は初球からガンガン行くようなタイプ」と、開幕1カ月後には1番・荒木、2番・井端が定着した。

 二人に対し落合氏は「エンドランなんて出したことない」。当時の中日打線と言えば、1番・荒木が出塁すれば、2番・井端が右打ちで一、三塁の好機を作る。そんなシーンが多かった。

 「荒木には“走れるなら走ってもいいよ”。井端には“打つんだったら打っていいよ”と規制をかけていない。その代わり(荒木が)走ったときは(井端が)奇麗にライト前に打つからね。エンドランをかけると、そのボールを打たなきゃいけないってことがあるんで、ボール球でも打たないといけない。彼ら二人とピッチャーとの駆け引き。二人だからできる。誰でもできるってことではない」

 落合竜に欠かすことのできないピースは「アライバ」だった。


 

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