【新春インタビュー 広島・新井監督(2)】エース、4番、守護神未確定 結果が全て全ポジションで競え!

[ 2026年1月1日 05:05 ]

来季の展望を語る新井監督 (撮影・平嶋 理子) 
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(1)から続く

 ――今季に目を向けたいと思います。エースと4番、正捕手、抑え投手が未確定です。心配する声があります。

 「これは戦っていく中で育てていくしかないですよね。自分が辛抱強くやっていかないといけないことだと思っています」

 ――エースや正捕手の候補はいます。昨季は期待を裏切る成績に終わった森下、坂倉もそう。汚名を返上する活躍が求められます。

 「もちろん、そういう期待を持って見ていきますよ。2月のキャンプがスタートした時に、どういう感じで(練習に)取り組んでいるのか。プロ野球は一年一年が勝負。昨季の教訓をどういうふうに生かそうとしているのか。そこのあたりは、春季キャンプからオープン戦を戦う中で見えてくるので。楽しみに、黙って見ておきたいなと思います」

 ――今季の4番はどうなりますか。

 「現実的にはファビアンかモンテロしかいませんよね。ファビアンは消去法の4番であって、タイプ的には違う。他のメディアが平川の名前を挙げていましたが、まだプロでプレーしていないルーキーが候補に挙げられる。これが現実です。そこも競争です」

 ――12月の新入団選手発表の壇上で“絶対にやり返す”と宣言されました。苦しい道のりを覚悟して歩む中で、どうなれば道筋が見えてくるでしょうか。

 「毎年言っていますけど、戦いながら成長していくしかないと思うんですよね。いきなりバンとうまくなるものじゃないので。戦いながらチーム全体が成長し、佐々木泰をはじめとした2年目の選手や、新入団の選手がどれだけプラスアルファでチームに良い競争をもたらしてくれるか。そこがポイントになると思います。そこも自分の我慢が必要になると思います」

 ――新入団の9選手のうち、高校生の西川、手術明けの高木以外の7選手は、キャンプ1軍スタート。異例の大量抜てきですね。

 「今のカープの編成、バランスを考えても凄く充実したドラフトだったと思いますね。起用法など、いろいろな想定をする中でフィットする選手が多い。1位の平川から5位の赤木まで全部フィットしているじゃないですか。育成選手の小林、岸本も含めてね。いろんな想定ができるようになりましたし、彼らの動きを見て成長を促していくのが楽しみです。ただね…」

 ――ただ?

 「若手の話が主になっていますけど、ずっと在籍している選手にも同様に期待していますから、そこは誤解しないでもらいたいです。3年間見て個々の力は把握していますが、チーム全体を底上げするには彼らの奮起が欠かせません。チャンスを与えられた時に、しっかりつかんでほしいと思います」 

 ――先日の話でポジションが決まっているのは小園、ファビアンだけ…と。小園は開幕がサードで、終盤はショートでした。今季は?

 「ショートでしょうね」

 ――結果は問いますか?ポジションが決まっている存在でも。

 「もちろん。僕が言っているのは、現時点で開幕戦のスコアボードに名前があるのは小園とファビアン、フィジカルに何も問題がなければ彼ら2人は先発するというだけであって、開幕したら他の選手と同じように結果を問うていきます。開幕後にのんびりしていたら、すぐに代わりますよ…と。そこは誤解しないでください」

 ――昨季は中村奨が8年目にして台頭しました。開幕戦先発は。

 「これは全く分からないです。台頭したといっても、1シーズンまるまるやったわけじゃない。最低でも3年間、そこそこやって一人前。3年成績を残して初めてレギュラー、そこから主力になっていくんですから。もちろん、彼は頑張りましたよ。背番号が大きく(22から96に)なって、今年ダメなら先はない、背水の陣で臨んだと思うんですよ。2月のキャンプを見た時、目の色が違っていましたから。ラストチャンスだと思ってがむしゃらにやった結果、今がある。でも、まだまだこれから。油断が少しでもあると試合に出られなくなる。油断しないとは思いますけどね。それがプロの世界でもあるので」

 ――坂倉は本業の捕手とファースト、サード兼任。今季の主戦捕手はどうなりますか。

 「これも2月の動きを見てからになると思います。春のキャンプで動きを見て、坂倉、石原、それに秋のキャンプで競争に入ってくるものを見せてくれた二俣も。坂倉が完璧に投げられる、投げているボールを実際に見て問題ない…となれば、彼が主戦になるかもしれないし、ちょっと待てよ…となれば代わるでしょうし(※1)。打つ方に専念しなさい…となれば、ファーストオンリーになるかもしれない。見極めないといけないですね」

 ――秋のキャンプを見る限り、骨折した右手中指は大丈夫そう。

 「大丈夫でしょうね。でもこれ、全ては2月に始まり、そこからの動きを見ての判断になってくると思います。紅白戦から対外試合が始まる中で、どんな状態なのかを見極めないといけない」

 ――二俣は捕手として想定を超える力が。
 「もともと捕手として入団していますし、早めに手を打ちましたから。彼には昨季途中に“捕手に再挑戦してみないか?”と打診し、(9月22日に出場選手登録を)抹消してファームで練習を始めて。秋のキャンプでは、こちらの予想以上に守れるところを見せてくれました。彼も2月のキャンプが楽しみですよ」

 ――5シーズンで抑えを担った栗林が先発に転向します。抑えでは計算しても、先発に変わるとなると…。

 「これは未知数ですよ。ただ、先発としての要素は十分持っています。球種が豊富ですし、ストライクゾーンに投げられるだけの制球力もある。クイックモーションもフィールディングも上手ですしね。でも、アマチュアでは先発経験があってもプロでは初めてのことなので、そこも(状態を)見ながらになってきますね」

 ――春の実戦結果や内容が良い場合、栗林が開幕投手争いに入ってくる可能性は?

 「そこには入らないです。入ってこないと思いますけど、これも考え方ですよね」

 ――と言いますと。

 「開幕(3月27日)はマツダスタジアムで中日戦。そこは考え方ですよ。(中日の監督を務めた)落合博満さんみたいに(意表を突いて)やるのか(※2)。順当なら相手(の開幕投手)は高橋宏。どのチームもなかなか打てていないですよね。そこはいろいろ考えていきたいと思います」

 ――基本は、森下や床田らを含めた競争。

 「もちろん」

 ――栗林の後任クローザーはどうしますか。

 「これも競争でしょ。ただ固定はしません。栗林が先発に回り、クローザーができる力を持った投手は誰?となったら島内、森浦ですよね。プラス僕が楽しみにしているのは黒原です。昨季(左膝外側半月板縫合手術を受け、戦列を)離脱していた彼が帰ってくるので。24年のシーズンは、抑えができるんじゃないか…というぐらいのパフォーマンスを見せてくれたので。新しい戦力として、楽しみにしています」

 ――春の実戦で黒原が完全復活していると判断した場合、開幕からクローザー指名も。

 「あるかもしれないですね。ただ、さっきも言いましたが、固定はしない。クローザーはこの人…と決めては入らないです。島内、森浦、黒原、それに(新入団発表の席で“抑えをやりたい”と宣言した)工藤。投手の負担を軽減しながら臨機応変に回す方が、やりやすいのかな…と思います。この人と決めてしまうと、そのシチュエーションになったら全部投入しないといけなくなるので」

 ――そこは、勝ちパターンの投手起用にも関連しますよね。今季は島内、森浦、栗林の3人がほぼ投げていた。新たな人材の台頭が求められます。

 「そうですね。その意味でも黒原ですよ。彼には、そこのポジションに入ってきてもらいたい。先発にもまだ不確定要素がありますからね。秋のキャンプは故障(腰痛)で離脱しましたけど、先発調整させている岡本と滝田。彼らには成長を凄く感じますし、彼らが食い込むようならローテーションはガラッと変わる。仮に栗林がいい、岡本、滝田もいい…となって、左の中継ぎがもう1枚ほしい、先発でスタンバイしても次回登板がいつになるか分からない、それはもったいない…となったら、滝田を中継ぎに持っていくかもしれないしね」

(3)へ続く


(※1)坂倉は春季キャンプ最終日の昨年2月26日にイレギュラーしたノックの打球を右手中指に受けて骨折。4月末に1軍に復帰し、先発マスク91試合を含む104試合に出場したが、ケガの影響が長引いて打率.238、5本塁打、37打点と低調で、盗塁阻止率.181と守備も苦しんだ。

(※2)04年4月2日、広島との開幕戦(ナゴヤドーム)で、就任1年目の落合監督は、直近3年間で1軍登板がなかった川崎憲次郎を先発起用した。川崎は1回1/3を5失点で降板したが打線が奮起して黒田博樹を攻略し、チームは逆転勝利。シーズンでも5年ぶりのリーグ制覇を遂げた。

 ▽25年の広島4番打者 球団史上最多の8人を起用した。開幕4番を務めたモンテロが左脇腹の肉離れのため、わずか3試合で離脱。代役に堂林を経て、4月9日から起用の末包が最多の63試合。6月7日に4番復帰したモンテロの43試合、ファビアンの21試合と続く。24年に71試合だった小園は主に3番を打ち、4番は5試合のみだった。

 ▽広島、25年の抑え投手 チーム32セーブはリーグ最少で、24年の42セーブから10減らした。24年38セーブの守護神・栗林は自己ワーストの10セーブ。4月終了時点で9試合1勝0敗4セーブの防御率7・56と精彩を欠いたため、チームは救援陣を再編。代役守護神に前半戦はハーンが8セーブ。後半戦はプロ5年目でセーブがなかった森浦がチーム最多の12セーブと奮闘した。

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