ソフトバンク 今宮健太が明かす大記録の“原点”と来季への“決意”

[ 2025年12月12日 06:00 ]

今季、通算400犠打&100本塁打を達成したソフトバンクの今宮は特製ボードを手に笑顔(撮影・岡田 丈靖)
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 今季、史上初の通算100本塁打&400犠打を達成したソフトバンクの今宮健太内野手(34)が、本紙のインタビューで大記録の“原点”と来季35歳シーズンへの“決意”を語った。遊撃手としてパ・リーグ最多出場記録を更新し続けている背番号6は「挑戦」を新たに掲げる。内野の新たなポジションに取り組むのと同時に、遊撃手として再び輝きを放つことに挑んでいく。

 今宮のプロとしての生きざまともいえる大記録となった。特に400犠打は史上4人目の快挙だ。

 「入団当時はヒットをたくさん打ってとか、そういうビジョンを思い描いていました。もちろん400という数字までバントをするとも思っていなかった。バントがなければ、ここまでプレーできていなかったとも正直思っています」

 大分・明豊時代は通算62本塁打のスラッガーで、投げても最速154キロを誇る甲子園のスターだった。入団1年目、当初は「ほとんどバントをしなかったし、ブンブン振らせてもらっていた」と振り返る。ただ、プロのレベルの高さに直面する。鳥越2軍監督(当時)の下で守備に加え、バントの練習に専念するようになった。

 そして自らの生きる道を見つけた。プロ初スタメンに抜てきされた3年目の2012年4月29日のロッテ戦で初犠打を記録する。

 「無死一、二塁だったと思います。完璧に決まったんですよ。成功したからこそ、その1本から始まった感じです。まずはバントができればと、すがって取り組みました。後ろが凄い打者ばかりでしたしね」

 近年は投手のレベルアップが顕著。犠打を決める難易度も上がってきている。加えて球界全体で犠打の戦術自体も減ってきた。その一方で短期決戦をはじめ着実に1点を取りたいシーンでの価値は変わらず大きい。今後もバントでチームの勝利に貢献していく。

 「バッティングの場合は7回失敗しても打率3割ですが、バントはほぼ10割が求められる。決めてくれるだろう、決まるだろうと思われている中なのでプレッシャーはあります。だから今でも緊張します。(準備など)やることをやっていくだけです」

 今オフ、遊撃一本で勝負してきた背番号6に転機が訪れた。先月末、小久保監督から三塁、二塁、一塁を“サブ・ポジション”として「準備してほしい」と通達された。来季は「挑戦」がテーマになる。新たな姿に挑戦するのと同時に、ショートの定位置を譲らないための勝負にも挑む。

 「来年は35歳。いろんなグラブを用意することは決まってます。チームのために何ができるかを最優先にしながらやっていきたい。でも、ショートのポジションが終わりというわけではない。相当、結果を残さないと難しいかもしれないけど、まずはそこに挑戦したい」

 ここぞの場面では100本塁打を記録したパンチ力もある。加えて、培ってきた“つなぎの打撃”も自らの持ち味だ。「来年に関しては野村勇を筆頭に多くの選手とショートを争うと思うので。長打の確率は彼の方が上。打率の方で残していかないといけないし、自分の持ち味を出すだけかなと思ってます」

 リーグ3連覇へ攻守でチームに欠かせない存在だ。さらなる常勝期へ世代交代の波も押し寄せている中で、背番号6が新たなステージに挑む。

 【取材後記】責任感が強くチーム思いの選手だ。今回話を聞いていても、今宮は世代交代が今後のチームにとって必要であることにしっかりとした理解を示した上で、謙虚に自らの思いを口にしていた。

 来季が35歳シーズン。とはいえ老け込むには早すぎる。今季はケガが重なり46試合の出場にとどまったものの、昨季は133試合に出場し遊撃でベストナインを獲得した。日本シリーズ第3戦でみせたダイビングキャッチは「これぞ今宮」というスーパープレーだった。

 遊撃手として1621試合出場のパ・リーグ記録の持ち主。秘めた闘志も一級品だ。献身的なプレーも持ち味だが、目をギラつかせて定位置をつかみ取り、ダイナミックに躍動する姿をまだまだ見たい。 (木下 大一)

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