「浦和学院が、二松学舎大付が…」夏の高校野球「番狂わせ」の鍵は「3点差」にあり…甲子園Vの名将に聞く

[ 2025年7月21日 09:20 ]

戦況を見極める健大高崎・青柳監督(撮影・柳内 遼平)
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 第107回全国高校野球選手権の地方大会が各地で開催されており、波乱の展開が続いている。

 埼玉大会では優勝候補の筆頭だった浦和学院が3回戦で姿を消した。春の埼玉県大会で優勝し、進出した関東大会では他県の強豪相手に投打ともにレベルの高さを示していた。敗れた相手の滑川総合は秋、春ともに県大会2回戦で敗退。間違いなく今夏最大の番狂わせだった。

 さらに東東京では春2回戦敗退の淑徳が今春の選抜に出場した二松学舎大付を撃破。好投手の八重尾蓮(3年)を擁していたとはいえ、二松学舎大付は経験、実力を有するタレントをそろえているため、ノーシードながら優勝候補に挙がっていた。

 他のエリアからも「波乱」の声が届く。夏の高校野球地方大会における番狂わせのポイントは何か――。昨春の選抜で同校初の甲子園優勝に輝いた健大高崎(群馬)の青柳博文監督に聞いた。

 ――「番狂わせ」が起こるポイントは。
 
 「焦りだと思います。先制点を取られると試合が難しく、厳しくなりますよね。やっぱり夏は先制点が凄く大事になります」

 ――浦和学院は4点を追う苦しい展開でした。

 「先に相手に4点も入ってしまうと攻撃が難しくなります。(リードされるのは)2点までですね。この2点差までだとバントで1点ずつ追うという作戦ができますが、3点差だと打ってつないで大量点を狙わないといけない。戦術も限定されてしまう。夏はそういう展開にしないように試合を進めたいところです」

 昨春の選抜から新基準の「低反発バット」が導入されて以降、打って打って打ちまくる打撃特化のチームは激減した。豪快な本塁打で得点を重ねる展開を狙うことは難しく、それだけに序盤にリードを奪われると、「最後の夏」というプレッシャーが3年生選手の両肩に重くのしかかる。

 最大の敵は焦り。秋、春には当たり前にできていたプレーもできなくなる。そうなると練習試合ならば大量点を奪えるレベルの投手にも苦戦する。だからこそ、青柳監督は許容できる点差を2点とした。浦和学院は4点、二松学舎大付も4点を先に奪われた展開だった。

 健大高崎は初戦の2回戦は5―0、3回戦は7―0の大差で勝利している。ただ、決して長打狙いの大振りはしていない。鋭いライナーで野手の間を抜く打撃が目立ち、隙のない走塁を駆使して目前の1点をコツコツと狙う野球を貫き、ゲームを支配している。

 「夏はそういう展開にしないように試合を進めたいです」。全国制覇を狙える戦力を有する健大高崎でも「番狂わせ」を警戒した慎重な戦いぶりで1勝を積み重なる。

 きょうも各地で行われる地方大会。強豪が先制点を許した場合、「2点」の基準点に注目したい。(記者コラム・柳内 遼平)

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