【甲子園】関東第一・坂井遼 春の雪辱6回零封 エースが母への感謝を胸に4回から好救援

[ 2024年8月13日 05:00 ]

第106回全国高校野球選手権大会第6日・2回戦   関東第一7―1北陸 ( 2024年8月12日    甲子園 )

<関東第一・北陸>4回から2番手で登板し、6回を投げ無失点投球の関東第一・坂井(撮影・大森 寛明)
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 関東第一(東東京)は北陸(福井)を7―1で下して3回戦に進んだ。

 エースとしてのプライドがある。関東第一のプロ注目の最速149キロ右腕・坂井遼(はる=3年)が4回から2番手で登板し、6回3安打無失点。選抜でつかめなかった1勝を手にすると「春の悔しさを晴らすために戻ってきたのでうれしい」と力強く右手を握った。

 シナリオ通り、勝利というエンディングへ向け腕を振り続けた。逆転した直後の4回から登板し、最速148キロの直球とスライダーのコンビネーションで3イニング連続で3者凡退。9回1死一、二塁のピンチでは球場が相手を後押しする手拍子に包まれたが「弱気にならず、のまれることはなかった」と冷静さを失わず無失点で切り抜けた。選抜では1点リードの9回に同点とされ、延長11回タイブレークの末に敗戦。「夏に抑えることができたのは成長」と言った。

 感謝を伝える夏でもある。名前の由来は生まれる2年前だった04年放送のドラマ「プライド」で主演の木村拓哉が演じたアイスホッケー選手で口癖が「メイビー」の「里中ハル」。「あのドラマのように格好良く、“はるかかなた”との意味もあるので大きな人になってほしい」との願いを込め母・一恵さん(43)が名付けた。家庭の事情で小学4年から母と2人で暮らしてきたが「ちょっとやんちゃな時期もあって…」と中学時代は学校をさぼるなど迷惑もかけた。

 「最後は全国制覇で恩返しの夏にしたい」と坂井。大好きな母への感謝も胸に力投し、まずは初戦を突破した。優勝する。「メイビー」ではなく、必ず。(村井 樹)

 ◇坂井 遼(さかい・はる)2006年(平18)5月8日生まれ、千葉県出身の18歳。小5から富里リトルスターズで野球を始め、富里中時代は江戸川南ボーイズに所属した。関東第一では1年秋からベンチ入り。憧れの選手はドジャース・山本。遠投115メートル、50メートル走6秒5。1メートル78、78キロ。右投げ右打ち。

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