【甲子園】熊本工・広永 骨折でメンバー外のエース誓ったプロでの聖地帰還

[ 2024年8月13日 05:00 ]

第106回全国高校野球選手権大会第6日・2回戦   熊本工1-2広陵 ( 2024年8月12日    甲子園 )

<熊本工・広陵>山本(右)の力投をボールボーイとして見守った熊本工・広永(中)(撮影・大森 寛明)
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 【声援よ君に届け】大歓声をマウンドで浴びるはずだった。熊本工のプロ注目の最速146キロ右腕・広永は熊本大会中に右肋骨を疲労骨折し、今大会はメンバー入りせず。「一番近くで(仲間を)見ておきたい」との理由でベンチ横でボールパーソンを務めたエースは、初戦敗退に「本当にあそこに立ちたかった。チームを勝たせてあげたかった」と無念さがにじんだ。

 悲劇が起きたのは7月16日、熊本大会初戦の八代戦だった。6回から救援登板し、直後の打席でファウルを打った際に激しい痛みが襲った。続投予定だったが右肩が上がらない状況で無念の降板。今夏登板は1イニングのみに終わった。病院の診断は全治3カ月。切り替えは簡単ではなかったが、同僚の「大道を甲子園に連れていく」という言葉で前向きになれた。練習ではブルペンを整備するなど献身的に動き、チームの聖地出場に貢献した。

 熊本大会では準々決勝から3試合連続完投と大きく成長した2年生の山本から「グラブを借りたい」とお願いされ、快諾。「一緒に投げているじゃないけど、そういう気持ちだった」とパワーを送った。今後は大学に進学予定で4年後のプロ入りを狙う。「また甲子園に戻って、投げられるように頑張ります」。いつか、絶対に戻ってくる。マウンドからの景色を見るために。(杉浦 友樹)

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