ヤクルト・奥川 巨人キラー1050日ぶり復活 二塁踏ませず「次につながる」6回零封 5戦無傷4勝

[ 2024年8月3日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト4-2巨人 ( 2024年8月2日    東京D )

<巨・ヤ>巨人に勝利しスタンドの声援に応え引き揚げる奥川(撮影・会津 智海)
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 ヤクルトの奥川恭伸投手(23)が2日の巨人戦で、今季最長となる6回を2安打無失点に封じ、今季3勝目をマークした。同戦は右肘を負傷し、緊急降板した22年3月29日以来の登板で二塁を踏ませぬ好投。レギュラーシーズンでは21年9月17日以来、1050日ぶりの同戦勝利となった。CSも含めれば5試合で無傷の4勝。「Gキラー」が見事な復活を遂げた。

 帰ってきた燕の「Gキラー」が本領を発揮した。今季3勝目という結果だけではない。奥川は内容にも大きな手応えを感じ取った。

 「今日が一番まとまっていたんじゃないかと思います。次につながる登板になった」

 6回を2安打無失点。初回1死一塁ではヘルナンデスを空振り三振、岡本和を三ゴロに封じた。4回1死一塁は岡本和を左飛、モンテスを中飛。巨人戦登板は4回で緊急降板した22年3月29日以来だったが、当時の“悪夢”が頭をよぎることは「全くなかった」と言う。完封勝利した21年11月10日のCSファイナルSで見せた相性の良さはこの夜も健在だった。

 本来の姿を取り戻しつつある。最後まで制球を乱さず無四球。バランスの良いフォームから意図したコースにテンポよく投げ込んだ。直球の最速は148キロだったが、打者が差し込まれる場面も。これまではフォームのバランスを意識し過ぎたが「今までと違うのは打者と対戦できたところ」とうなずいた。

 上半身と下半身の連動性を意識したフォーム固めを継続してきたが「試合になると練習でやってきたことができない」というジレンマに陥った。だが、マスクをかぶった中村は「しっかり腕が縦振りになったことで(直球が)シュート回転したり引っかけたりする球があまりなかった。両コースに投げ込めるし、(配球の)プラン通りにできた」と証言。だからこそ、今季最長の6回を投げ切ることができた。

 チームの連敗を3でストップ。高津監督は「彼も自信になると思うし、チームとしてもまた明日という気持ちになる」と目を細めた。上位浮上にはやはり、奥川の存在が不可欠だ。(重光 晋太郎)

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