阪神ドラ1・森下 本物や!135メートル弾に和田2軍監督も好印象「鈴木誠也みたいな体つき」

[ 2023年2月3日 05:15 ]

初の屋外フリー打撃で特大弾を放つ森下(後方左は和田2軍監督)(撮影・成瀬 徹)
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 やっぱり本物!阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)が沖縄・具志川2軍キャンプ第1クール最終日の2日、推定飛距離135メートルの特大弾でベールを脱いだ。昨年12月に発症した右太もも肉離れ完治を優先してこの日も一部別メニューだったが、初めてスパイクを履き、初めて屋外でフリー打撃を敢行。広島の元主砲、鈴木誠也外野手(28=現カブス)をほうふつさせる豪快な38スイングで、特大弾を含む4本の柵越えをたたき込み、持ち味とするパワーを誇示した。

 バットを寝かせて肩に担いだ構えから、左足を上げる始動まではマートンに似ている。インパクトの瞬間は鈴木誠也にも見えた。大きなフォロースルーは新井貴浩か城島健司か…。森下の打撃は随所に、かつての強打者たちの姿と重なる。

 プロ初の屋外フリー打撃は和田2軍監督が打撃ケージ後ろで見守るなど、まさにお披露目会の様相を呈した。マシン相手に38スイングして柵越え4本。7スイング目が左中間芝生席の上段に突き刺さる推定飛距離135メートルの特大弾となった。4本のアーチはすべてバックスクリーンより左だったが、右方向にもフェンス直撃の大飛球を何度も放ち、引っ張り専門ではないこともアピール。終了直後には和田監督とトレーナーに「問題ないです。怖さもないです」と報告し、右太もも肉離れの状態も確認した。

 「感触は良かったです。(状態は)8割くらいだったのですが、当たって角度がついた時は柵も越えましたし、いい打球が行ったかなと思います」

 そう振り返った和製大砲候補に対する、和田監督の第一印象は決して大げさでも何でもない。「“おっ”というのはあった。スイングに迫力がある。鈴木誠也みたいな体つきだし、彼みたいになってほしいし、将来は打線の中心になれるかもしれない」。時を同じくしてスカイAの中継では阪神OBでメジャー経験もある福留孝介氏が「スイングスピードがあり外国人選手のようなパワーを感じる」と目を見張っていた。

(体力づくり優先/) とはいえ、この日もランニングメニューは本隊から外れており、リハビリ中の身。17スイング目に4本目の柵越えを放って以降は、勢いに陰りも見えた。和田監督も「ウルトラマンじゃないけど最初の3分だけで、あとはカラータイマーが点滅してヘロヘロやったでしょ。まずは体力をつけるのが先決」と完全合流には慎重だった。

 宜野座で報告を聞いた岡田監督は「ボンボン結構行ったというのは聞いてる。そら飛ばんよりは飛ぶ方がええよ」と話した上で「まだ70~80%らしいし、走るのがな。まあ(実戦は)万全になってからでええよ」と話すにとどめた。しばらくは報告を聞いて、ニヤニヤしているつもりだ。(畑野 理之)

《主な阪神ドラ1新人初打ち》
 ★04年 鳥谷 敬 2月1日、ノックもフリー打撃も走塁練習も遊撃レギュラーを争う藤本と同組。居残り特打では153スイングで安打性63本、柵越え6本。「打撃でアピールしたいので、多く打てて良かった。逆(左翼)方向を意識しました」
 ★17年 大山 悠輔 2月1日、フリー打撃と特打の計162スイングで柵越え12本。初めて直接指導の金本監督から「いい打者の雰囲気」と合格点にも「雰囲気だけで終わらない選手になりたい」と気を引き締めた。
 ★19年 近本 光司 2月1日、フリー打撃では83スイングで3本の柵越え。途中、ティー打撃とフリーの順番を間違えるハプニングもあり「疲れました。自然と力が入ってしまっていた」と緊張の初日を振り返った。
 ★21年 佐藤 輝明 2月1日、フリー打撃89スイングで、バックスクリーン直撃の推定135メートル弾を含む柵越え9本。矢野監督に弾道の高さを評価され「まだ全然完璧じゃないけど、しっかり調整してやっていきます」
(場所はすべて宜野座)

≪誠也の23歳シーズンは打率3割26発90打点》 ○…鈴木誠也は広島で新人の13年、9月14日の巨人戦でデビュー。11試合で打率.083、0本塁打、1打点だった。ただし当時は高卒入団の19歳シーズンで、今季の森下と同じ23歳シーズンはプロ5年目の17年。同年は115試合出場で打率.300、26本塁打、90打点をマーク。4番打者としてリーグ2連覇に貢献。2年連続のベストナインとゴールデングラブ賞を受賞している。

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2023年2月3日のニュース