ロッテ・朗希 WBCへ“第3の宝刀”スライダー手応え 滑りやすいメジャー球で曲がり幅さらに大きく

[ 2023年2月3日 05:25 ]

ブルペンでスライダーを投げる佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 これが侍仕様の朗希だ。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場するロッテ・佐々木朗希投手(21)が2日、沖縄・石垣キャンプで初めてブルペン入り。これまで軸とした直球、フォークに加えて国際大会に向けた新たな武器としてスライダーを入念に投げ込んだ。直球の最速は早くも156キロを計測。先発として期待されるWBCへ、手応えのスタートを切った。

 11球目だった。左足を高く上げるおなじみのフォーム。佐々木朗の右腕から繰り出されたボールが滑るように曲がり、ミットに収まった。昨年、投球のわずか5・3%だった球種。そこから3球連続で投じるなど、入念に変化を確認した。

 「仕上がりを早くできるようにと意識しながらやっている。不安なく良い状態でできているし、変化球は合格点くらいある」

 今キャンプ初のブルペン投球。テレビカメラ8台を含む約60人の報道陣と多くのファンが見守った。WBCで使用する大リーグ公式球で、まずは速球を10球投げ込んだ全49球の内訳は直球29球、スライダー11球、フォーク9球。本来、直球とフォークが軸球の右腕が、多投したのはスライダーだった。まだバラつきがあったものの、明らかに以前のスライダーより曲がり幅は大きくなった。相手を務めた味園博和ブルペン捕手が「いいスライダーや」と声を上げるなど、佐々木朗自身も手応えの表情。世界と戦う、新たな武器として精度を磨いていく。

 日本の公式球よりも縫い目が高く、滑りやすいという大リーグ公式球。一般的に変化球が曲がりやすくなるとされている。160キロ前後の直球と140キロ台中盤のフォークに、140キロ前後のスライダーが加われば緩急の幅が広がる。さらに曲がり幅も大きくなることで、国際大会で武器になるのは間違いない。ボールへの対応についても「11月(の強化試合)よりもしっかり操れている感覚はある」と手応え。黒木投手コーチも「うまく変化球を投げていたし、国際球にも対応できている」と太鼓判を押した。

 直球も球団の計測で最速156キロをマーク。春季キャンプの初ブルペンでは過去最多の49球と上々の調整ぶりだ。吉井監督は今後、9日にライブBP(実戦形式の投球練習)、15日の練習試合・ヤクルト戦(糸満)での登板プランを披露。侍メンバーの村上との対戦の可能性もある。「打者に投げないと、分からないこともある。まだ変化球の精度など課題はあるので、時間を有効に使いながらやっていきたい」。侍の軸として、佐々木朗が最大限の準備を重ねる。(大内 辰祐)

 ≪直球とフォークで約9割≫佐々木朗の昨季の球種構成は直球とフォークだけで89.6%を占め、スライダーとカーブはいずれも5%台だった。直球(1000球以上)の空振り率は今永(DeNA)の11.8%に次ぐ2位の9.8%、フォーク(500球以上)も高橋宏(中日)の31.4%に次ぐ2位の29.6%。スライダー(90球以上)も13位の20%と高い方で、決め球として使うことができれば奪三振も増える。

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2023年2月3日のニュース