「暗黙のルールを破った」 MLBオーナー陣がメッツ・コーエンオーナーの“金満補強”に不満も

[ 2022年12月24日 08:56 ]

メッツオーナーのスティーブ・コーエン氏(AP)
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 ニューヨークポストのジョン・ヘイマン記者がメッツのスティーブ・コーエンオーナー(66)の「前代未聞のお金の使い方」について、他球団のオーナーたちから不満や不平が出ていると報じている。公には反対していないが、深い懸念を口にし、慌てふためいている人たちもいるという。

 メッツの23年のサラリー総額は3億8460万ドル(約510億6000万円)で、2位のヤンキースの2億8890万ドル(約383億6000万円)より1億ドルも多い。これまでオーナー間では「他球団に比べて一気にサラリー総額を上げすぎない」とする暗黙のルールがあったという。しかしコーエンは局面を一変させ、やりすぎた。これでは選手の獲得でも、試合でも競争にならないという。

 あるオーナーはエドウィン・ディアスやブランドン・ニモとの再契約は問題ないし、ジェイコブ・デグロムの代わりにジャスティン・バーランダーを獲得したのも良いが、カルロス・コレアについては度を超えていたと批判している。

 こういった不平、不満に対し、ヘイマン記者はコーエンオーナーを擁護する。まず、このオフのFA市場では巨額の契約がたくさん生まれたが、最初に値段を高くしたのはレンジャーズのオーナー(デグロム獲得)やフィリーズのオーナー(トレイ・ターナー獲得)だったと。そしてコレアの契約は、総額でジャイアンツよりも3500万ドルも少なかった。そもそも彼はメッツファンとの約束を果たしただけで、コレアの契約が決まるとメッツの23年の1試合用のチケットが1日で100万ドル分(約1億3000万円)も売れたそうだ。しかもスター勢ぞろいのチームを作ったことで球界全体が盛り上がる。敵地に遠征した時もファンは見に来るだろう。最近ではそういうことは少なくなっていたが、彼の気前良さが球界を救うと説く。オーナーの中には怒っていない者もいる。その人物は「ルールの中でやっている。彼のお金だし、やりたいようにやればいい」と話している。

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2022年12月24日のニュース