活躍中!西武の女性広報「何も困ることなんてありませんよ。平等ですから」

[ 2022年12月24日 08:00 ]

西武の亀田広報。右は増田(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 選手が全員男性のNPBだが、近年、女性スタッフの進出がめざましい。西武では女性広報部員が、遠征にも同行しながら報道陣とチームの架け橋を担っている。

 男性の広報部員ならば選手が着替えをするロッカーに気軽に出入りもできるだろう。だが、女性だとそうもいかない。亀田礼子広報に働きづらさはないかと聞くと「全くありません」と即答された。着替えは球団事務所まで移動し、女性用ロッカーで済ませればいいだけだそうだ。「働きやすい環境で、何も困ることなんてありませんよ。平等な環境ですから」と笑っていた。

 亀田広報がチーム担当になった数年前まで、女性の管理栄養士もいない「男社会」だった。ベンチ裏の食堂では、屈強な男たちが下着姿でウロウロしていたりする。西武グループを挙げて女性の社会進出を目指してきた球団で、三山力広報部長を中心にチームへの「進出」に取り組んだ。

 球団幹部と選手会が掛け合ったところ、ベテランの栗山、中村を中心に「いいじゃないですか!」と大歓迎ムード。亀田広報は、選手のコメント配信、取材スケジュールの調整など、多岐にわたる業務に日々励んでいる。SNSを担当するスタッフら、グラウンドで多くの女性が活躍するようになった。

 「女性らしい」という言葉は現代では適切ではないかもしれないが、特有のきめ細やかな心配りが選手の心を和らげることもある。7月9日の楽天戦で、育成から支配下登録されたばかりの長谷川がプロ初安打と決勝打を放ち、お立ち台に立った。初めての経験で右も左も分からない若手に、亀田広報は「もう少しで始まるよー」などと細かく手順を伝えることで緊張をほぐす役割もした。

 長谷川は当時を振り返り「抜け目がない。頑張って仕事に取り組まれている姿勢が、こちらに伝わってくる」と感謝していた。(記者コラム・神田 佑)

続きを表示

この記事のフォト

2022年12月24日のニュース