日本ハム球団チアが「職業」に 「きつねダンス」がもたらした効果

[ 2022年12月15日 08:00 ]

きつねポーズで写真に納まる2023年ファイターズガールの新メンバー(前列左から)田中杏奈さん、志堅原花音さん、竹市琴美さん、上村優菜さん、橋本莉々花さん、日戸琴音さん(後列同)大野美侑さん、高野実さん、田中心優さん、上山真奈さん、鈴木穂乃花さん、大西真帆さん、塩沢美咲さん、工藤彩音さん(撮影・高橋茂夫)
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 「きつねダンス」で話題となった日本ハムの公式チアリーダー「ファイターズガール」が「職業」になる。来季からチアリーダーは“給料制”に変わり、同ダンスの生みの親でファイターズスポーツ&エンターテイメントの尾暮(おぐれ)沙織さんは「ファイターズガールの仕事一本で生活できるように、というのが私たちの願いだった」と、感慨深げに語った。

 尾暮さんもファイターズガールOGで、球団の北海道移転後の5期生。当時は交通費と食事代のみで、一般企業で働きながら活動していたという。近年もアルバイトを掛け持ちしながら活動するメンバーも多く「季節労働者ですから。年間通してお仕事をあげることができないですし、ファイターズガールだけで生活するのは難しい状況でした」と振り返る。

 環境改善の一助となったのが「きつねダンス」の流行だ。今年3月からホームゲームで、きつねの耳と尻尾をつけた姿でダンスを披露すると、次第に観客の注目を集め、動画サイトなどで広まり人気に火がついた。球場だけでなくイベント会場、音楽番組など活動の場が広がり、給料制へ。社内にもその効果が波及した形で、尾暮さんは「一年を通してたくさんのお仕事をみんなにさせてあげられる」と喜んだ。

 今月11日に行われた新メンバーオーディションでも「きつね効果」で移転後最多の318名が応募。元アイドル、インスタグラマー、他球団からの移籍者やテーマパークのダンサーなどさまざまな経歴を持つ人々が集まった。実力者が増えた一方で競争力は高まり、今季のメンバーで“再受験”の末に落選したチアも多くいた。

 しかし、健全な競争が生まれることで組織は強くなる。狭き門を通過した14人と、既存のメンバー8人を加えた22人で始動する来季へ、尾暮さんは意気込んでいる。

 「今年はかなり厳しい中で合格したメンバーですので、われわれも期待することは大きい。エスコンフィールド北海道でさまざまな“お仕事”をしてほしい」

 「きつねダンス」がもたらした効果は大きい。チアを目指す少女たちの「憧れの職業」になりつつある。
(記者コラム・清藤 駿太)

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