米大学出身 日本ハム・育成3位山口アタルがベール脱ぐ「アピールポイントはばか力」

[ 2022年11月27日 06:00 ]

フィジカルモンスターとポーズを決める育成3位指名の山口(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムは26日に札幌市内で新入団発表を行い、入団会見済みのドラフト3位・加藤豪以外の9選手がお披露目された。「超隠し玉」と話題を集めたカナダ出身の日系選手、育成ドラフト3位・山口アタル外野手(23)がベールを脱いだ。

 入団テスト経由の指名で、経緯が独特だった。「日本に何もコネクションがない」と頼ったのが各球団のウェブサイト。見つけたメールアドレスに、自信のある体力面などをアピールする映像を片っ端から送った。「返事がなかったり“この方法で選手は集めていない”と返ってきたり…」。何とか3球団の受験にこぎ着け、「スイングの音に驚いた」(大渕隆GM補佐兼スカウト部長)と日本ハムに可能性を認められた。

 大阪出身の父とギリシャ系カナダ人の母の間に生まれ、バンクーバー育ち。8歳の頃、野球を本格的に始めた。「“フェラーリに乗りたい”と父に言ったんです。“頑張ってプロになれるのは野球だ”と言われて始めました。今はフェラーリに関係なく好きだからやっています」。大学では最速153キロの投手だったが、制球難で米ドラフトにかかるレベルには遠く、この6月に「フィジカルは才能があるから打者になる」と外野手に転向。父の影響で日本野球の知識はあり「ジャイアンツやカープが入団テストをしているのを知っていた」と日本行きに懸けた。

 一部単語を除いて受け答えは全て日本語。「アピールポイントはばか力です」と自己紹介して笑いを呼んだ。高級外車に憧れ夢を追い始め、「フィジカルモンスター」と呼ばれる潜在能力と、行動力、底抜けの明るさ。どこか新庄監督をほうふつさせる逸材は無限の可能性を秘めている。(和田 裕司)

 ◇山口 アタル(やまぐち・あたる)1999年5月28日生まれ、カナダ・バンクーバー出身の23歳。8歳で野球を始め、12年リトルリーグ世界選手権でカナダ代表入り。日本からは清宮(現日本ハム)のいる東京北砂リトルが出場していた。ブリタニア高、コルビー短大を経てテキサス大タイラー校に編入。中退の形で日本ハム入りする。1メートル79、89キロ。右投げ右打ち。

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2022年11月27日のニュース