ENEOS 9年ぶりVへ 主砲・山崎が大久保監督に恩返し弾「今年こそ全部勝ちます」

[ 2022年7月23日 04:30 ]

第93回都市対抗野球1回戦   ENEOS6―2西濃運輸 ( 2022年7月22日    東京D )

<西濃運輸・ENEOS>初回、2ランを放ち、ガッツポーズするENEOS・山崎(撮影・木村 揚輔)
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 1回戦3試合が行われた。史上最多となる12度目の大会制覇を目指すENEOS(横浜市)は初回に山崎錬内野手(31)の2ランなどで西濃運輸(大垣市)に6―2と快勝した。北海道ガス(札幌市)は東芝(川崎市)の最速153キロ右腕・吉村貢司郎投手(24)を攻略しドーム初勝利を挙げた。

 4番の一発で流れをつかんだ。1点を先制し、なお1死二塁。31歳・山崎がフルカウントからの外角直球を逆方向の左中間席に放り込んだ。「コースなりにうまく打てた。今年こそ一戦必勝で全部勝ちます」。9年ぶりの優勝を目指しつつ、前回大会の準々決勝で敗れた東京ガス戦に続く2戦連発を振り返った。

 年々、入社してくる有望株たちに負けじと汗を流している。「現状維持は退化の始まり。リスク覚悟で練習しています」。慶大時代は主将を務め、11年は東京六大学リーグベストナインに選出。リーダーシップが認められ、当時もENEOS監督だった大久保秀昭監督に勧誘された。そんな指揮官も可愛い同大後輩の活躍に「錬(山崎)が本当に価値ある一発。それに尽きます」と高く評価した。

 野球人生では、ここぞの場面で印象に残るアーチを刻んできた。慶応高3年夏の08年は東海大相模との北神奈川大会の決勝で対戦。延長に入って総力戦となったことで野手の大田(現DeNA)が登板したが、その大田から決勝ソロを放って聖地出場を決めた。その勝負強さは現在も健在だ。

 チームは13年に史上最多の11度目の優勝を飾ったが、16年から4年連続で予選で敗れたため会社は当時慶大を率いていた大久保監督に再登板を要請。19年12月、古巣に戻った。

 山崎がナインの思いを代弁する。「僕らは4年間(予選に)勝てなかったけど、また3年連続で東京ドームに来られた。今年こそ大久保監督に恩返ししたい」。感謝の思いを胸に、頂点だけを目指す。(伊藤 幸男)

 ◇山崎 錬(やまざき・れん)1990年(平2)12月13日生まれ、東京都出身の31歳。尾山台中時は世田谷ボーイズに所属。慶応高から慶大に進学し大学通算は8本塁打。趣味はサウナ。1メートル76、76キロ。右投げ左打ち。

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2022年7月23日のニュース