ヤクルト・ライアン小川が10度目完封!球威戻った直球で攻めた無四球&今季初勝利

[ 2022年5月4日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3―0阪神 ( 2022年5月3日    甲子園 )

<神・ヤ>完封で今季初勝利を挙げ、中村(右)に祝福される小川(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 直球。ヤクルト・小川にとって生命線である。開幕投手も含めた今季の過去4度の登板で白星を挙げられなかった右腕が、球威が復活した直球で攻めた。6回2死二、三塁で佐藤輝。初球から直球を続けた。全6球を内角高めに投じ、最後は146キロで詰まらせ三邪飛。昨年5月15日の中日戦以来、自身10度目の完封勝利への道が開けた。

 「(6回は)自分の直球を信じて、強気のピッチングができた。まず1個、勝ちがついてホッとしています」

 立ち上がりから飛ばした。初回1死一塁で佐藤輝を二ゴロ併殺。これで乗った。6回のピンチ以外は危なげなく投球。1軍復帰した正捕手の中村とのコンビも抜群だった。9回1死一塁も佐藤輝、大山をともに右飛に斬って試合終了。今季5戦目での待望の1勝目を無四球完封でもぎ取った。

 過去4試合は計19回で12失点を喫し防御率5・68。雨天中止の影響もあって中12日となった今回の登板間に「もう一度、自分の体を使い切って投げたい」とフォームを見直した。今季は体重移動をスムーズにするためセットポジションの際に左足を1足分前に出していたが、この日から両足をそろえる昨年までのフォームに回帰。慣れ親しんだフォームで球威が復活した。この日は112球中、直球は59・8%の67球。それまでの42・1%を大きく上回った。最速は147キロでも最後まで球威は衰えなかった。

 今季初の4連勝で貯金を最多の4とし、首位・巨人と1・5ゲーム差とした高津監督も「文句をつけるところがない。完璧」と最敬礼だ。「今までいい働きができなかった。チームに貢献していきたい」と小川。その言葉にも力強さが戻った。(青森 正宣)

 《球団10傑入り85勝目》小川(ヤ)が自身10度目の完封で通算85勝目。無四死球での完封は、19年9月19日阪神戦、昨年5月15日中日戦に次ぎ3度目だ。ヤクルトで通算10完封以上は金田正一(当時国鉄=78完封)らに次ぎ13人目。通算85勝は金田の353勝を筆頭に梶間健一、館山昌平に並ぶ球団10位と10傑入りを果たした。

続きを表示

この記事のフォト

2022年5月4日のニュース