広島ドラ3・中村健 積極打法で“チーム1号” し烈外野争いへ「いい準備できている」 守備、走塁も自信

[ 2022年2月17日 05:30 ]

練習試合   広島4-6DeNA ( 2022年2月16日    沖縄・コザしんきん )

<練習試合、広・D>7回、中村健は左越えにソロ本塁打を放つ(撮影・坂田 高浩)
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 広島のドラフト3位・中村健人外野手(24=トヨタ自動車)が“ポスト誠也”に豪快に名乗りを上げた。今春最初の対外試合だった16日のDeNAとの練習試合に「6番・右翼」で先発し、チーム1号の左越え弾を含む2打数2安打1四球。ポスティングシステムを使ってメジャー移籍を目指す鈴木誠也外野手(27)の後継者探しが今春の重要課題に挙がる中、大きくアピールに成功した。

 中村健は未知の初球を振り抜いた。7回先頭。代わった育成3年目の左腕ディアスの直球だった。球場表示で球速143キロ。真ん中付近とはいえ初見で初球を強振し、左翼席へ打ち込んだ。

 「ストライクを逃さないところが持ち味だと思う。フルスイングできたことの方が大きい。感触的には少し詰まった。伸びろ…と思いながら走った」

 初実戦だった11日の紅白戦でも高橋昂から左越え弾を放ち、“チーム1号”は2度目。「たまたまだと思う。でも、野手全員に初球など“1”にこだわっている感じがすごく伝わってくる。そういう意味では、いい準備ができているかな」とうなずいた。

 キャンプ序盤からプロレベルの速球に遅れず対応できるように左肩が一塁側へ入りすぎるフォームの修正に着手。「手元の速さ。ボールを見てから振ると差し込まれる…と日々感じる」。2週間を過ぎ、実戦の舞台で直球に差し込まれるどころか力強く引っ張り、一定の成果を証明した。

 2回1死一塁では石田に対して3球連続直球の後、初めて来たチェンジアップを捉え、鋭いゴロで三遊間を抜いた。6回無死一塁では浜口の荒れ球を冷静に見極め、四球を選んだ。実績のある2人に初対戦で対応。3打席とも内容があり、特に左腕に対する優位性を見せつけた。

 編成上、左打者が多く、特に鈴木が抜ける外野陣で右打者の台頭が望まれる。右翼で先発して7回からは左翼。高校、大学、社会人とアマ球界の名門で磨いてきた守備力でも一日の長がある。

 「誰が見ても、し烈な外野手争いに飛び込んでいる。即戦力で打撃を求められると思うけど、守備もでき、走ることもできる。声も出し、自分らしさを出すことに集中をしていけば、いい結果が待っていると信じて臨んでいきたい」

 大きくポッカリ空いた右翼の定位置。1年目から割って入るだけの可能性を大きく示した。

 ◇中村 健人(なかむら・けんと)1997年(平9)5月21日生まれ、愛知県名古屋市出身の24歳。中京大中京では3年夏に甲子園出場。慶大では1年春からリーグ戦出場し3年秋に外野手のベストナイン。トヨタ自動車では21年の日本選手権、都市対抗に出場。1メートル83、90キロ。右投げ右打ち。

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2022年2月17日のニュース