ラストイヤーの阪神・矢野監督は“勝負の鬼”に 4番・大山にもバント「V争いでそういう状況くる」

[ 2022年2月17日 05:30 ]

ケース打撃で送りバントを成功させる阪神・大山(撮影・後藤 大輝)
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 17年ぶりリーグ制覇へ、阪神・矢野監督が采配の聖域を設けず、なりふり構わず勝負にこだわる姿勢を示した。あらかじめ走者とアウトカウントを設定。小技や状況に応じた打撃の練習をするケース打撃で、その片りんをうかがわせた。無死一、二塁で、大山に犠打のサイン。一発では決められなかったが、追い込まれてからしっかり転がして、走者を進めた。

 通算4犠打の主砲ながら、昨季は0。矢野体制になった19年以降、阪神の4番打者は犠打を1回も記録していない。しかし、今季は状況が異なるようだ。

 「ないことはやらないけど、あることはやっておこうというのはある。状況や相手投手やイニングや、優勝争いの中とか、そういう状況で(犠打は)考えられる。そういうのをやっておこうと」

 指揮官の視線は、秋の終盤戦に向いていた。4番に犠打をさせてでも1点を取りに行く場面を想定。昨季は勝率5厘差で優勝を逃しただけに、死にもの狂いで1勝をもぎ取り、勝負の鬼に徹する覚悟がある。就任1年目の19年7月9日巨人戦では、1点劣勢の9回無死一、二塁から4番・岡本和に犠打を決められたこともあった。

 大山は「別に4番だからとか関係なく、バントはあるわけですから、試合に準備するためにこういう練習をしている。しっかり試合でやれるように準備したい」と、当然の作戦だと受け止めた。昨季犠打0の佐藤輝も、無死一、三塁の設定で自らセーフティーバントを試みた。長距離砲でも、送るべきときは送らせる――。その姿勢を鮮明にした指揮官は、「普段でも、甲子園のマシンのところでバント練習をやるだけでも確率が変わってくる」と意識の浸透を期待した。(倉世古 洋平)

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