【センバツ選考事情】東海地区の「逆転現象」に鬼嶋委員長が見解「投打に大垣日大が勝った。投手力で差」

[ 2022年1月28日 17:51 ]

甲子園球場
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 東海地区で予想外の選考があった。準優勝の聖隷クリストファー(静岡)が選考に漏れ、4強の大垣日大(岐阜)が選ばれる逆転現象が起きた。

 東海地区の鬼嶋一司委員長は「意見は賛否両論あり、拮抗(きっこう)していた。ただ、簡潔に言えば投打に大垣日大が勝ったということです」と話した。「特に投手力で差があった。春の選抜大会では失点の多いチームは厳しい」。粘り強く接戦を勝ち上がった聖隷クリストファーだが、東海大会3試合で15失点だった。

 優勝が日大三島(静岡)で同一県からの選出を避ける配慮が働いたかとの問いには「静岡同士ということは全く考慮していなかった。甲子園で勝てる可能性の高いチームを選んでいます」と話した。

 一方の大垣日大は前評判の高かった静岡(静岡)、享栄(愛知)を破るなど「総合力の高いチーム」と評価した。聖隷クリストファーは補欠校となった。

 激戦が予想された近畿は当確の4強に加え、5番目に昨年夏の甲子園大会4強で主戦左腕・森下が健在の京都国際(京都)を選出。その後、市和歌山(和歌山)、東洋大姫路(兵庫)、近江(滋賀)の3校の比較検討した。

 なかでも好投手・米田を擁し、機動力を駆使した多彩な攻撃ができる市和歌山の戦力を高く評価し、6番目に選出。次いで県3位ながら強豪の智弁学園(奈良)に完封勝ちするなど伝統の守りの野球が健在の東洋大姫路を最後の7番目に選んだ。

 近江は昨夏の甲子園大会4強の原動力となったエース・山田が右肘痛で欠いていた。山田が投げられなかった点をどう見るかが一つの焦点だった。近畿の前田正治委員長は「山田君は県大会、近畿大会を通じて一度も投げていないので評価はできなかった。投げていない投手を想像で決めるのか、という意見もあった」と話し、補欠校に回った。

 関東・東京の最終6番目の「抱き合わせ枠」は、力量評価で二松学舎大付(東京)が東海大相模(神奈川)をしのいだ。

 東海大相模は昨年、この関東・東京で最終切符を手にし、優勝を果たしていた。昨年と同じ状況だったが、井上明委員長は「昨年の石田投手のような投手はいない。素晴らしい選手がよくそろっているが、投手力が不安定だった。優秀な素材がまだ育っていないようだった」と不安要素をあげた。

 二松学舎大付は「東海大相模が個の力とすれば、チームの和、チーム全体で勝負できる。東京大会も優勝まであと1死だった」と評価し、5年ぶりの東京2校出場となった。

 もう1つの「抱き合わせ枠」、中国・四国の5校目は倉敷工(岡山)と明徳義塾(高知)を比較検討し、倉敷工を選んだ。河原丈久委員長は「投手力は互角。攻撃力は倉敷工、守備力は明徳義塾の方が評価が高かった。地域性も考慮して、倉敷工に落ち着いた」と説明した。 (内田 雅也)

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