日大三島38年ぶり2度目のセンバツ 強豪相手に鍛えた“全員野球”で一戦必勝から日本一

[ 2022年1月28日 19:08 ]

渡辺校長から出場の報告を受けるナイン
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 第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕 甲子園球場)の代表32校を決める選考委員会が28日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社で行われた。昨秋東海大会で初王者に輝いた日大三島が文句なしの選出で38年ぶり2度目。投打の大黒柱を担うエースで4番・松永陽登(2年)を中心とした“全員野球”で、一戦必勝から日本一を見据える。

 一塁側ベンチでライブ中継にくぎ付けになっていたナインの表情が一気に緩んだ。38年ぶりの吉報は午後3時23分。新型コロナウイルスの感染拡大により会話も気勢を上げることはもちろん、胴上げも封印した。松永は「(例年に比べ)小規模だったと思いますが、たくさんの人にお祝いされてうれしかった。甲子園ではホームランを打つことが夢。投手でもピンチを抑えて勝利に貢献したいです」と力強い言葉で喜びを表現した。

 ナインには全国クラス相手に十分戦える自信が芽生えている。公式戦の成績は10勝1敗で、唯一の敗戦は明治神宮大会の九州国際大付(福岡)戦だけだ。対照的に練習試合に限っては愛産大工(愛知)戦のわずか1勝だけで7敗を喫している。しかも昨秋東海大会直前は6連敗した。しかし、相手に選んだのは昨夏日本一の智弁和歌山(和歌山)や高崎健康福祉大高崎(群馬)といった全国屈指の強豪ばかり。報徳学園(兵庫)を18度甲子園に導いている名将・永田裕治監督(58)には「強くなろうと思ったらそういうチームとやらんとダメ」という意図があった。5番を打つ野口央雅左翼手(2年)が「夏に優勝している智弁和歌山と途中まで良い勝負ができていて、チームの士気が上がったんです」と振り返った。実際に昨夏王者に2―4と食い下がり「東海大会や明治神宮大会でも相手の怖さを感じなくなりました」と気後れすることなく力を出せた。

 リードオフマン京井聖奈三塁手(2年)も「モットーの“全員野球”を意識した粘り強い野球ができてきた。このまま行けば勝てる集団になります」と目を輝かせる。束となって聖地で躍動する。(小澤 秀人)

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