阪神・佐藤輝 1軍復帰即入った!と思ったのに…惜しい幻弾も猛虎打線に希望の光!!復調ムードの大飛球

[ 2021年9月24日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー3中日 ( 2021年9月23日    バンテリンD )

<中・神(20)>4回、ライトポール際に放った打球を見つめる佐藤輝(撮影・椎名 航)
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 阪神の佐藤輝明内野手(22)が23日の中日戦に昇格即「7番・右翼」で先発出場。結果的にリプレー検証で判定がファウルに覆ったものの、4回の第2打席で右翼ポール際へ大飛球を放り込み、復調気配を漂わせた。試合は引き分けたが、起爆剤を求めるチームにとっては好材料。きょう24日の巨人戦に勝ち、ヤクルトが敗れれば首位に返り咲く。幻の一発は「G倒奪首弾」の予兆にしてみせる。

 内か、外か…。右翼ポール際の映像が、ドーム内にも何度も流れた。4つのベースを回ってベンチで見守っていた佐藤輝から笑顔が消えた。マジか…。リプレー検証を終えた審判の両手が上へ「V」の字に開き、判定がファウルに覆った。

 4回1死一塁の第2打席。笠原の初球、126キロ内角カットボールを豪快に引っ張りこんだ。飛距離は十分。ポールをギリギリかすめていき、一度は本塁打とジャッジされるほどの“惜しい”放物線だった。

 35打席連続ノーヒットで、10日に出場選手登録を抹消された。ウエスタン・リーグ7試合に出場し、29打数9安打、打率・310、1本塁打…いや、この数字はあまり意味を持たない。13日間、構えを試行錯誤するなど、打撃を見つめ直したことに意義があった。

 「結果が出ていないので何とも言えないですけど、いい当たりも出たので、また次に向けて。先輩がたも、やりやすい雰囲気をつくってくれているので、結果で応えたいというのはありました」

 24号2ランは一転、取り消され、首から下げた虎メダルも、繰り出した「Zポーズ」も幻に…。苦笑いで打席に戻り、カウント1―2から打ち直したその打席は一ゴロだった。2回は空振り三振、7回は左飛、9回は見逃し三振で、結局4打席凡退。連続打席無安打は39まで伸び、リーグ最多の三振は153へ増えた。正直、まだ完全復調とは言えない。

 しかし、サトテルお帰り…の雰囲気はチームに流れた。怪物ルーキーの復帰を歓迎するムードも漂った。きょう24日からは巨人3連戦。「負けられない戦いだと思うので、少しでもチームのために今、自分のできることをやりたいと思います」

 勝ちきれずに引き分けだった矢野監督も、少し機首が上向いたのを感じていた。「試合前の円陣の声出しで佐藤輝も“ムードを変える”って言っていた。そのピースになってくれたらと思う。前半戦はインパクトで引っ張ってくれたしね」。いるべき男がスタメンに並ぶ。新人ながら、とてつもない存在感を放つ。役者がそろい、東京ドームへ乗り込む。

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