京都国際 松下“サヨナラ打”で見えてきた初出場初優勝 3年生の力結束、一丸で快挙まっしぐら

[ 2021年8月27日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権 準々決勝   京都国際3-2敦賀気比 ( 2021年8月26日    甲子園 )

<京都国際・敦賀気比>サヨナラを呼んだ松下(8)を中心に喜ぶ京都国際ナイン(撮影・井垣 忠夫)
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 迷いなく振り抜いた。同点の9回1死二塁、京都国際の8番・松下恵富は「思い切り打とう。初球から行く」と決めて打席に立った。ベンチで仲間からもらったアドバイス通り、ノーステップで直球に食らいついた打球は高いバウンドで一塁手の頭を越え右前へ。右翼手がファンブルする間に一度は三塁で止まった二塁走者の平野順大が頭から本塁生還。劇的なサヨナラ勝利で京都勢としては05年に準優勝した京都外大西以来、16年ぶりの準決勝進出を決めた。

 「森下、平野が頑張って投げてくれた。最後、打てて良かった」

 同点劇も松下からだった。2点を先制された直後の8回。先頭打者として右翼線に二塁打を放つと打線がつながった。先発メンバーの5人が2年生。松下はじめ3年生の意地が勝利の原動力となった。学年別ミーティングで主将の山口吟太が繰り返してきた言葉がある。「1、2年生は3年を見て育つ。見本になるようにやろう」。扇の要として2年生の2投手を好リードし、8回に押し出し四球を選んだ中川勇斗。直前の死球でつないだ金田大記。9回無死一塁で勝利につながる犠打を決めた植西龍雅。中川は「3年の力が強かった」と結束力を口にし胸を張った。

 小牧憲継監督は「ここまで来られると思っていなかった。8回に気持ちを持ちなおしたのも3年の声かけから。3年生のおかげ」と目を細めた。投打の主力が結果を出し、ここに来て「ラッキーボーイ」も出現。13年前橋育英以来となる初出場初優勝も夢じゃない。一丸となった京都国際がさらに勢いを増した。(桜井 克也)

 《2年生両輪が勝利呼ぶ熱投》2年生の両輪も勝利に大きく貢献した。今大会初登板で先発した平野順大は5回3安打無失点。「先発して本当に緊張した。毎回、この重圧の中で投げている森下は、すごいヤツだと思いました」と笑顔で同期のライバルを持ちあげた。エースの森下瑠大は24日の3回戦・二松学舎大付戦で10回を投げきるなど2試合連続完投の影響から「4番右翼」で先発。6回から救援し8回に2点を失ったが4回2失点とまとめた。「調子は良くなかったけど、気持ちで投げた」と勝利に安堵(あんど)した。

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