エース森下&中川バッテリー競演弾 初出場の京都国際 今大会初の延長戦制し8強進出

[ 2021年8月25日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権3回戦   京都国際6ー4二松学舎大付 ( 2021年8月24日    甲子園 )

<京都国際・二松学舎大付> 5回無死、京都国際・森下が左へ同点本塁打を放つ (撮影・亀井 直樹)
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 3回戦4試合があり、初出場の京都国際が今大会初の延長戦を制し、京都勢では06年福知山成美以来の準々決勝進出を決めた。初出場では13年の前橋育英以来となる。

 延長10回2死、最後の打者を3球全て直球で空振り三振に仕留めると、京都国際の2年生左腕・森下瑠大(りゅうだい)は安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

 「勝ってホッとした。9回に決めきれず、10回は絶対に抑えてやろうと思ってマウンドに立った」

 3点優勢の9回、安打と死球などで1死二、三塁とされ桜井虎太郎に甘く入ったカットボールを左翼席へ同点3ランを浴びた。今春選抜2回戦では同じ東京勢の東海大菅生に9回2死から逆転サヨナラ負け。悪夢が頭をよぎった。「やばい。選抜と同様に自分のせいで負けてしまう。でもここで立て直すのがエース」。自分に言い聞かせ、春に投げ切れなかった内角直球で後続を断った。

 打撃では5回に左翼ポール際に同点ソロを放ち、10回2死一塁ではカウント3―1から外角直球を左翼線へ決勝の三塁打。中継が乱れる間に一気に本塁へ生還した。

 「外の真っすぐを待っていた。自分で取られた点なので、自分で取り返して勝利しようと思った」

 二松学舎大付の好左腕・秋山正雲との投げ合い。試合前には小牧憲継監督から「どちらが大会No・1左腕か証明してこい」とハッパをかけられた。142球の熱投で実力を証明した。「勝って自分の名前を全国に広めてやりたかった」。2回戦の前橋育英戦の10奪三振に続き、この日も12三振を奪い2試合連続完投勝利。甲子園の魔物を克服した2年生エースが、さらなる快進撃の原動力になる。 (中澤 智晴)

 ○…3番で出場した主砲の中川勇斗が前橋育英戦の決勝弾に続く2試合連続の本塁打を放った。1―1の6回1死一塁から高めの直球を完璧に捉え左中間席へ運んだ。「初球がスライダーでストライク。次は直球一本張りだった。入ってくれて良かった」。京都大会決勝でも逆転弾を放っており3戦連発で、森下とバッテリーでのアベック弾にもなった。リード面では9回に手痛い一発を浴び「もっと練習から詰めて、終盤、終盤という意識を持ってやっていきたい」と気を引き締めた。

 ○…京都国際の森下と中川が本塁打。先発の投手&捕手によるバッテリー弾は12年大阪桐蔭の藤浪晋太郎と森友哉が準々決勝の天理戦で記録して以来7度目。中川は2試合連続本塁打で17年広陵の中村奨成が3試合連続を記録して以来。6回は中川に続き辻井心もソロを放ち2者連続本塁打。19年星稜の内山壮真と大高正寛が準々決勝の仙台育英戦で記録して以来26度目。

 ○…京都国際は二松学舎大付戦で3本塁打。京都勢の1試合3本塁打は47年に京都二商が準々決勝・岐阜商戦で鎌田誠二、足立礼四郎、岩木益三の3人で計3本塁打して以来、74年ぶり2度目。

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