盛岡大付、“頭脳派”渡辺の完封で初戦突破! 悲願「白河の関」越えへ東北勢4戦4勝

[ 2021年8月17日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権 1回戦   盛岡大付7ー0鹿島学園 ( 2021年8月16日    甲子園 )

<盛岡大付・鹿島学園>6回、味方の好守に笑顔を見せる盛岡大付・渡辺(撮影・北條 貴史)
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 1回戦4試合が行われ、盛岡大付(岩手)は渡辺翔真投手(3年)が、鹿島学園(茨城)打線を5安打に抑えて完封勝利を挙げた。これで今大会東北勢は4校が登場しいずれも初戦突破。東日本大震災から10年の節目で、春夏通じてまだ優勝旗が渡ってない「白河の関」越えの実現へ、「東北魂」の快進撃が続く。

 最後は意識した。あと2アウトで完封できる、と。7―0の9回1死一、二塁。ベンチから「落ち着いて一つずつアウトを取れ」と伝令も来た。カウントは2―2。5球目を投げる前に、渡辺はスパイクのひもをゆっくりと結び直した。

 「ゼロに抑えようって、違うところに意識がいってる。自分のやることをやろう」

 頭を整理し、心を落ち着かせ、しっかり確認した。今すべきなのは自分の投球。打たせて取るいつものスタイルだ。「うまく打たそうとせず、ミスショットを狙おう」。そして投じた116キロの外角スライダー。いい当たりにハッとしたが、その打球は遊撃手・蝦名叶多(3年)の守備範囲に飛んだ。6―4―3の鮮やかな併殺でゲームセット。渡辺の顔がやっとほころんだ。

 「強打」が代名詞の盛岡大付。実はこれが甲子園26試合目にして初めての完封だった。その強打で7得点を挙げる中、渡辺は9つのゼロを甲子園のスコアボードに刻んだ。「完封は今春に1回ある。自分としては(甲子園で)いいスタートが切れた」。少し素っ気ない反応も無理はない。入学後「どこでもできるようにしろ」と言われ、内野も外野もこなした。昨秋から登板数が増え、背番号1をもらえたのは今春。投手に専念したのは今夏の岩手大会になってからだった。

 ただ、勉強で何度も学年トップになった頭脳派投手は、己を知っている。この日の最速は138キロながらスライダー、カーブ、チェンジアップをコースに投げ分け、125球で5安打完封。関口清治監督も「一級品のボールはないが、自滅しない投手。自分でリズムを立て直せた」と序盤のピンチを脱しての完封に目を細めた。先に登場した日大山形、東北学院(宮城)、ノースアジア大明桜(秋田)に続き東北勢は4連勝となった。

 打席では6回にスクイズも決めた渡辺。伝統の強打の傍らで放つ異彩が、盛岡大付の旋風を予感させていた。(秋村 誠人)

 ◇渡辺 翔真(わたなべ・しょうま)2003年(平15)6月4日生まれ、埼玉県出身の18歳。小2から野球を始め、狭山台中で武蔵狭山ボーイズに所属し3年時に全国大会準優勝。盛岡大付では1年春からベンチ入り。趣味は映画観賞。遠投100メートル。50メートル走6秒4。1メートル75、75キロ。右投げ右打ち。

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