沖縄尚学・当山 2安打完封で82年ぶり27人斬り 海草中・嶋清一以来の快挙で県勢100勝飾る 

[ 2021年8月17日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権第4日 1回戦   沖縄尚学8-0阿南光 ( 2021年8月16日    甲子園 )

<沖縄尚学・阿南光>完封勝利を収めた沖縄尚学・当山(撮影・河野 光希)
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 1回戦4試合があり、沖縄尚学が阿南光を8―0で下し、沖縄県勢の甲子園春夏通算100勝を飾った。左腕エースの当山渚投手(3年)が2安打完封勝利。1人の投手では1939年の海草中・嶋清一以来、82年ぶりとなる「27人斬り」の偉業で花を添えた。

 節目の勝利を82年ぶりの快挙で飾った。9回2死、阿南光27人目の打者を空振り三振に仕留めてゲームセット。沖縄尚学の左腕・当山は「素直にうれしい。甲子園は目指していた場所だったので、楽しかった」と喜んだ。

 許した走者は2、4回に安打された2人だけ。2回は自らの好守備もあり併殺、4回は盗塁死でいずれも3人で終えた。5回以降は走者を許さない完全投球だった。1人の投手が打者27人で抑えるのは1939年の海草中・嶋清一以来。唯一の準決勝と決勝のノーヒットノーランを含む5試合連続完封を達成した伝説の左腕に肩を並べた。

 沖縄大会でも4試合に登板して1点も与えておらず、今夏の連続無失点を30回1/3まで伸ばした。「後ろの守備は安定している。打たせて取れば自分のピッチングはできる」。直球は130キロ台だが、スライダーなど変化球との緩急がさえ116球で12奪三振。比嘉公也監督も「予想を超える投球。三振を取るタイプではないけど、要所要所で低めに集まった結果かな」とたたえた。

 当山の憧れは同じ左腕で鹿児島実時代の98年夏の甲子園で無安打無得点試合を達成しソフトバンク、巨人で通算142勝をマークした杉内俊哉(巨人2軍投手コーチ)。その理由を「防御率の低さが自分として一番の魅力だと思います」と説明する。無失点なら負けることはない。今年の沖縄尚学には防御率0・00を誇る頼もしすぎるエースがいる。(杉浦 友樹)


 ▽嶋清一の27人斬り 海草中の嶋清一はノーヒットノーランで優勝を決めた39年夏の決勝・下関商戦で「27人斬り」を達成した。9回を投げ奪三振8で許した走者は2人。3回2死から与四球の走者は盗塁死、7回1死から出した四球の走者はけん制で刺した(記録は盗塁死)。この大会の嶋は全5試合を完封し準決勝、決勝と2試合連続で無安打無得点試合を達成。甲子園には春夏通算6度出場し投手として8勝、7完封を記録した。その後、明大に進んで活躍したが、43年12月に学徒出陣し45年6月にインドシナ沖の海戦で24歳の若さで戦死した。

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