巨人・原監督の執念でソフトバンク撃破 7人継投、積極采配で“負の歴史”止めた

[ 2021年5月31日 05:30 ]

交流戦   巨人4―3ソフトバンク ( 2021年5月30日    ペイペイD )

<ソ・巨>勝利を喜ぶ原監督(左から2人目)、戸郷(同5人目)ら巨人ナイン(撮影・岡田 丈靖)
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 天敵に708日ぶりに勝った。巨人は30日、ソフトバンクに4―3で競り勝ち、2019年6月23日の交流戦から続いた連敗(オープン戦含む)を14で止めた。原辰徳監督(62)はリードした6回から救援投手を6人も投入。5勝目を挙げた戸郷翔征投手(21)を含め、7人継投で逃げ切った。19、20年の日本シリーズで4連敗を喫した悪夢をついに断ち切った。

 7投手をつぎ込み、ついにソフトバンクに勝った試合後。福岡空港から帰京した原監督は14連敗を喫した29日のことを振り返った。

 「昨日はおやじさんの命日だったのよ。(天国に向かって)頼むぜと言ったんだけどダメだったな」。7年前に他界した父・貢氏(享年78)。母校・東海大相模監督で恩師でもある父に願った白星を翌日につかんだ。

 中4日の戸郷を5回で交代。6、7回だけで鍵谷、大江、高梨、ビエイラの4投手を送った。ビエイラは3―2の7回2死三塁からバレンティンの「一殺」。初戦で畠と桜井が一発を浴びていた相手に最速161キロで力勝負し、最後も159キロで一飛に抑えた。

 ビエイラは両手で胸を叩いて吠えた。過去2戦は先制しながらも逆転負けした。指揮官が「ベンチでみんなギューッと」と目をつり上げる表情をまねたように、リードしながらも漂う重苦しい空気。それを振り払うド迫力の雄叫びだった。

 昨年は父の故郷でもある福岡で、2年連続の日本シリーズ4連敗を喫した。01年に初めて監督就任が決まると教えを受けた。「辰徳、布団に入って枕に頭をつけて考え事はするな。部屋に電気をつけて椅子に座って考えろ」。だが敗戦直後は悔しさが頭から離れなかった。後に「2、3日眠ることができなかった」と口にしている。

 元日。神奈川県伊勢原市の大山阿夫利神社への初詣はコロナ禍のため自粛し、お札を郵送してもらった。毎年「健康でいさせてください」とだけ願い、自らの決断で人生を切り開いてきた。8、9回は「ここ何年かで初めて」と言う意識だった。中川に「セットアッパーとクローザー」を同時に任せたのだ。

 2点リードの8回を抑えた左腕を9回も続投。先頭から左打者が5人並んだからだ。結果的に1点差に迫られ、右の甲斐まで回ったため2死一、二塁から右のデラロサを投入して勝った。頬を真っ赤にした中川は「チームが勝ったことが何よりうれしい」と笑った。

 決勝弾の岡本和を評した言葉が、原監督の心情でもあるだろう。「ストレスもたまっていただろうし、全て出たんじゃないでしょうか」。リーグ3連覇後の日本シリーズが真の雪辱の舞台。「苦手意識を払しょくできれば」と見据えた。(神田 佑)

 ≪巨人初 1試合5人ホールドで勝利≫巨人が7人継投で勝利。先発が勝利、抑えがセーブをマークし、中継ぎがもれなく5ホールドしたのは西武が19年9月6日の楽天戦で記録して以来2年ぶり5度目で、巨人では初めてとなった。巨人は5月21日の中日戦でホールドが導入された05年以降初めて1試合で5人がホールドを記録したが1―1の引き分けだった。なお、巨人のソフトバンク戦の1点差勝利は12年6月6日、4―3以来9年ぶり。

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