アーチ量産の大谷 次の期待はスプラッシュ・ヒット

[ 2021年5月20日 09:00 ]

エンゼルス・大谷翔平(AP)
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 エンゼルス・大谷のバットが止まらない。ここまで両リーグ単独トップの14本塁打(5月18日現在、以下同)。フル出場してきた疲労の蓄積や故障リスク、トラウトの離脱による四球の増加なども気がかりではある。ただ、ここでは大谷がメジャーで積み上げた61本と、今後の楽しみについて書きたい。

 アーチをかけた球場は14。コロナ禍の変則開催によりブルージェイズのキャンプ地ダンイーデンで放った一発も含め、全てア・リーグの球場だ。まだ打っていないアの現本拠地は、レンジャーズのグローブライフ・フィールド(19年までの本拠グローブライフ・パークでは4本記録)、タイガースのコメリカ・パーク、オリオールパーク、そしてヤンキースタジアムの4カ所。今後、レンジャーズとは敵地で7試合、タ軍、オリオールズとは8月に3試合、ヤンキースとは6月末~7月初旬に4試合が組まれており、今季中にア球場制覇の可能性は十分にある。

 DH制がなく「リアル二刀流」や外野守備など起用法も注目されるナ・リーグ本拠地のインターリーグ(交流戦)では、エ軍はまず5月31日(日本時間6月1日)からジャイアンツと2連戦に臨む。ジ軍の本拠地オラクル・パークの名物本塁打は、右翼場外のマッコビー湾に飛び込む、通称「スプラッシュ・ヒット」だ。厳密に言うと、ジ軍選手によるものがこう呼ばれ、相手チームの選手の場合は単に「マッコビー湾到達アーチ」として区別されるものの、球団公式サイトにはそれぞれの歴代達成者が記載されている。前者は過去に87本、後者は46本。最多はもちろん元ジ軍で歴代最多762本塁打をマークしたバリー・ボンズで、35本を打ち込んだ。

 日本選手では過去に唯一、2010年に当時カブスの福留孝介(現中日)がマッコビー湾に届かせたが、フェンス最深部にある旗に当たってから海に落下したため、公式には認定されなかった。今月14日のレッドソックス戦では日本選手3人目の「グリーンモンスター」越えを果たした大谷が、新たな歴史を刻むか。(記者コラム・ 大林 幹雄)

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2021年5月20日のニュース