右の大砲候補…ロッテ高卒3年目・山口 1軍に食らいつく姿に注目

[ 2021年2月27日 09:00 ]

ロッテ・山口
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 プロ野球の記者をやっていて、この時期は若手がどれだけ1軍争いに食らいついていけるかが一番楽しみだ。ロッテならば、高卒3年目の山口航輝に注目している。

 ここまでの実戦は22打数7安打、打率・318とまずまずの内容。右投げ左打ちの好打者が飽和状態となっている最近の野球界の中で、貴重な右投げ右打ちのスラッガータイプだ。

 石垣島キャンプではフリー打撃で、ど派手な柵越えを連発していた。キャンプ期間中に唯一予定されていた紅白戦は雨で中止となったが、4番を予定されていたのは左の安田と右の山口だった。どのように育てたいのか、井口監督の狙いはそれだけで十分に分かった。

 今季活躍したら、ファンから相当な人気が出ると思う。モデルのような顔立ちで女性から大人気の藤原が同期入団だが、こちらはほんわかムードが漂う。1メートル83、97キロのいかつい体なのに笑顔がよく似合うのだ。

 中学時代には川柳のコンテストで受賞した実績も持つ。プロ野球という特異な世界でも、十分に目立てるキャラクターを持っている。

 この時期の対外試合では、どの球団も一線級の投手があまり登板していない。登板しても、直球ばかりを投げたり、新しいフォームや変化球を試したりと調整段階だということを忘れてはいけない。

 3月上旬まで好調だった若手が、投手陣が仕上がってくるそれ以降、苦戦する姿を何度も見てきている。一方で、ここまでに結果を残せなかったら開幕1軍のチャンスは消滅する。それも事実だ。山口は第一関門を突破したといってもいい。

 外野手登録だが、ここまでは一塁で出場。最大のライバルとなるのは、実績十分の「アジャ」こと井上であり、安田が三塁レギュラーとなれば、「寿司ボーイ」ことレアードとも競争しなくてはならない。

 いずれも球団の枠を越えたキャラクターを持ち、ファンからの人気も高い。だからこそ、ここから山口がどれだけ食らいついていけるかが楽しみだ。1カ月後、どんな結果になっているのか注目したい。(記者コラム・横市 勇)

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2021年2月27日のニュース