広澤克実氏 阪神・佐藤輝の打撃は「常識外」 しかし、直す必要はなし!将来見据え経験積ませるべき

[ 2021年2月27日 08:15 ]

<阪神キャンプ>バットを手に笑顔の佐藤輝(撮影・椎名 航)
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 【広澤克実 CHECK】佐藤輝の打撃を目の当たりにして改めて「常識外」だと感じた。「バットのヘッドを立てろ」という指導をよく耳にする。ポップフライにならないためだ。彼はヘッドが寝ている。だから、フライになる。ところが、このフライが外野のフェンスを越える。ヘッドを立てれば、ライナーになる。本塁打と二塁打、どっちがいいか。当然、本塁打だ。だから、直す必要がない。

 飛距離はスイングスピードと飛び出しの角度で決まる。彼にはすさまじいスイングスピードがあり、飛球の最高到達点も高いから風に乗りやすい。近鉄にいたブライアントがオールスターで斎藤雅樹から打った本塁打、それも横浜スタジアムの左中間上部の看板に当てたことを思い出した。佐藤輝の打球も横浜、神宮、東京ドーム、それに浜風の吹く甲子園なら左中間に入る。

 この規格外のスイングを追い込まれてからもできる。軸足となる左足の使い方がうまいことが一つの要因だろう。“タメ”や“壁”をつくれるから、変化球にも体が前へ出されることがない。崩されることなく、強いスイングを通せる。

 足りないのは経験だけ。開幕後は打てない時期もあるかもしれないが、1打席でも多く立たせてほしい。十年先を考えても、必ず育てないといけない人材だ。(スポニチ本紙評論家)

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