ヤクルト・村上 走れる4番だ!今季初実戦でいきなり盗塁 トリプルスリーも期待

[ 2021年2月16日 05:30 ]

紅白戦   紅組4―1白組 ( 2021年2月15日    浦添 )

4回、1死一、二塁から西浦の右飛でタッチアップ、二塁へ進む村上(撮影・長久保 豊)
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 ヤクルトの村上宗隆内野手(21)が15日、今季初の実戦となった紅白戦に紅組の「4番・三塁」で出場。2回の初打席で左前打を放つと、すかさず二盗を決めた。昨季11盗塁を記録した「走れる4番」。30盗塁と打率3割、30本塁打も含めたトリプルスリーも期待される

 今季初の実戦で「走れる4番」を強烈に印象づけた。2回無死一塁。一塁走者の村上は初球からスタートを切った。1メートル88、97キロの巨体でもすぐにトップギアに乗せ、際どいタイミングで二盗に成功。「実戦の感覚を取り戻せるように開幕に向けて徐々にやりたい」と話していたが、その積極的な姿勢に高津監督もうなずいた。

 「4番が走るのは、僕は全然OK。ムネ(村上)は長打がアピールポイントですけれど、走れるチャンスがあれば、どんどん走らせたい」

 今季初打席で左前打を放った直後に意表を突く盗塁。四球で出塁した4回にも好走塁を見せた。1死一、二塁で一塁走者の村上は定位置よりやや深めの右翼への飛球に対して二塁走者とともにタッチアップ。右翼・中山の捕球体勢を見て、好判断で次の塁を陥れた。

 決して意外ではない。50メートル6秒1を誇る21歳は1年目に2軍で16盗塁、3年目の昨季は1軍で自己最多の11盗塁をマークした。相手の隙を突くことにもたけ、11月5日の阪神戦では1イニングに二盗、三盗、本盗を決める41年ぶりの「パーフェクトスチール」を達成した。土台をつくったのは高校時代。九州学院(熊本)のグラウンドにあるクロスカントリーコースで鍛えた。部員たちが「地獄」と表現する急斜面を利用したアップダウンのきついコースで鍛錬を重ねた。

 1月に新型コロナウイルスに感染し、別メニューでキャンプイン。出遅れが心配されたが、三塁守備でも軽快なフィールディングを披露し、走攻守で万全をアピールした。視察した巨人・中里篤史スコアラーは「走れるというのは分かっていても、打つバッターなので無警戒になりがち。初球から走る積極性もあるので、ランナーに出たら最初から気をつけないといけない」と警戒感を強めた。

 28本塁打だった昨季は初めて打率3割をマークし、今季は「3割、30本、100打点」を最低ノルマに掲げる。盗塁数も増やせる可能性を秘め、高津監督が「次の塁、次の1点というのはずっと言ってきている」と話すように積極的な走塁はチーム方針でもある。4番に「足」も加わったら、もはや敵なしだ。(青森 正宣)

 ≪4番で30盗塁なら長嶋、張本以来≫トリプルスリーは過去10人(12度)が記録。うち、主に4番で達成したのは、50年岩本義行(松竹)、00年金本知憲(広)で、村上(ヤ)が4番で達成すれば3人目になる。また、村上は3部門のうち、打率3割を昨季(.307)、30本塁打を19年(36本塁打)にクリア。難関は30盗塁だが、昨季は2桁の11盗塁をマークしており不可能ではなさそう。なお、4番だけで30盗塁以上は64年張本勲(東映=31盗塁)以降なく、セでは60年長嶋茂雄(巨=31盗塁)が最後。トリプルスリーに向け、偉大な2人以来の記録に続けるか。

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