プロウト「お股ニキ」も注目 阪神・高橋は脱力投球で進化 プロ初完投の巨人戦がよみがえる!

[ 2021年2月16日 05:30 ]

阪神・高橋
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 ツイッターでプロ顔負けの分析を行うプロウト(プロの素人)の「お股ニキ(@omatacom)」が今年初めて本紙に登場し、左のエースとして期待される高橋遥人投手(25)の「脱力」に注目した。(取材・構成=遠藤 礼)

 2回無失点だった12日の紅白戦で高橋は明らかに“別人”だった。登板後に明かしたのは「6割」の力感。キャンプ序盤から不調で、不本意な形での投球スタイル変更ではあるものの、お股ニキは130キロ台の直球を織り交ぜてプロ初完投した昨年10月5日の巨人戦を理想とした。

 「(巨人戦は)力感が違いました。コンディション面での苦肉の策だったかもしれませんが、(直球は)145キロ前後と130キロ台を意図して投げ分けてました。投球は一生懸命に全力で投げ込めば、それで良いというものではないです。抜く所は抜いて、押すところは押し切る。それができてました」

 強力打線を沈黙させた要因も挙げた。

 「130キロ台のストレートは同じぐらいの球速の左右に曲がり落ちるツーシームとカットとも区別がつかなかったと思います。カーブも投げて、真の先発投手らしい緩急、押し引き、駆け引き、軌道偽装がそろった投球でした」

 チームにとって巨人打倒がリーグVへの必須条件。先頭に立ち宿敵から白星を量産するポテンシャルが高橋にはあるという。

 「これまでは常に全力で速い変化球と直球中心の“もの凄いリリーフ”のような投球。緩急や押し引きが少なく中盤まで勢いで抑えても、疲れが出てきたところで崩れたりする。駆け引きや押し引きという総合的な投球を覚えた高橋投手なら、巨人相手に間違いを起こさない投球を展開することも可能です。菅野投手に勝ち切るような試合を期待したいです」

 手応えを得た「脱力」も、今は鳴りを潜める最速150キロの直球があってこそ効果を発揮する。昨季、確かに見えた“もう一人の”背番号29を追いかけ、完全無欠の先発投手を目指す。

 ◆お股ニキ(@omatacom=おまたにき)生年月日、出身地は非公表。「ニキ」はネット用語で「兄貴」の意味。本格的な野球経験は中学の部活動までながら独特の視点で選手らを分析する「つぶやき」が人気を呼んでいる。

 ▽高橋のプロ初完投勝利 20年10月5日の巨人戦。あえて球速を落とした直球と割合を増やしたカーブが効果的で、4番岡本から全3打席で三振を奪うなど自己最多の14奪三振。6回の打席ではプロ初適時打&初打点となる中安打も放った。113球で無四球完投。巨人戦での14K完投勝利は、球団では67年の江夏豊以来53年ぶり4人目だった。

 《藤浪“新フォーム”も楽しみ》お股ニキは昨年から交流があり、投球の助言も送っている藤浪についても分析した。2回無失点だった7日の紅白戦を「スプリットの状態が素晴らしいですし、直球もスライダーもまだまだ質を上げられます。昨年の後半から引き続き状態は良く、制球のブレも少なかったです」と評価。ワインドアップについても「フォーム的なことは何とも言えませんが、斉藤和巳投手のような、いったん目を切って三塁側を見るのも悪くない感じです。野球ファンが待望する阪神の今後を支えるエース」と期待を込めた。

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