聖光学院・内山前主将、4月から東洋大で“日本一のマネジャー”目指す!

[ 2021年1月13日 05:30 ]

スコアブックを手に持ち、笑顔を見せる内山
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 福島県の聖光学院野球部の内山連希前主将(3年)が12日、東洋大の総合情報学部総合情報学科に合格した。4月からは野球部のマネジャー兼分析担当となり、東都大学リーグの強豪を支えていく。コロナ禍を乗り越えて絶対王者を“夏14連覇”に導いた名キャプテンは、“日本一のマネジャー”を目指す。

 選手から裏方に転身する最大の理由は、仲間の存在だった。部員が100人を超える聖光学院では、ベンチを外れた選手は先発メンバーを支える。レギュラーの遊撃手だった内山は、その姿に感銘を受けた。

 「同じ3年生がスコアを書いて、準備などをしてくれたからこそ、僕らはプレーできた。自分は選手としては限界を感じたけど、野球は大好き。裏方として戦力になる」

 19年夏に聖光学院の新チームが始動した時に、内山は主将に指名された。秋の県大会の初戦で学法石川に敗れたが、7、8月の県の独自大会では聖光学院を“夏14連覇”に導いた。東北大会の準決勝・鶴岡東戦で人生初のサヨナラ打を放ち、東北制覇にも貢献。甲子園という目標を失ったチームをまとめた“名主将”は、「コロナ以上の苦難はない。逆境でもいくらでも乗り越えていける」と語る。

 その諦めない姿勢を東洋大から評価されて野球部に入部するが、マネジャーだけでなく、分析担当としても期待されている。内山は中学時代から、統計学的見地から客観的に選手を分析するサイバーメトリクスに興味があった。将来はNPBに携わる夢を持ち、引退後は後輩の練習試合に同行してスコアブックを付けた。「1人の選手が9人並んだら、何点取れるかを算出した。その選手の貢献度を出したりしました」と分析の“予行演習”を行った。

 東都1部の強豪の東洋大は、いわき市出身で聖光学院卒のロッテ・佐藤都志也捕手(22)ら多くのプロ野球選手を輩出している。「やるからには中途半端にやりたくない。東洋大に貢献し、日本一のマネジャーになる」。手にするものがバットからスコアブックに変わっても、内山のチームを支える姿勢は変わらない。(近藤 大暉)

 ○…聖光学院の名将・斎藤智也監督(57)も内山の東洋大合格を喜んだ。選手としてではなく、分析担当を目指したことも「そこに目を付けたところが内山の勤勉なところ」と評価。AO入試でなくスポーツ推薦で入学を決め、「内山の歩みを評価してもらえてうれしい。チームの右腕になるくらいの柱になって勝利に貢献してほしい」と期待した。

 ◆内山 連希(うちやま・れんき)2002(平14)4月8日生まれ、東京都立川市出身の18歳。4歳から野球を始め、小学生時は福生リトルリーグ、中学生時代は瑞穂リトルシニアに所属。18年に聖光学院に入学。1メートル68、67キロ。右投げ右打ち。

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