巨人・戸郷、水切り投法で虎封じ!自己最多11K、6勝目 チームはセ最速30勝

[ 2020年8月21日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2-0阪神 ( 2020年8月20日    東京D )

<巨・神(10)>阪神打線相手に力投する戸郷(撮影・大森 寛明)
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 巨人の戸郷翔征(しょうせい)投手(20)が20日の阪神戦で6回2/3を3安打無失点の好投で6勝目を挙げた。アーム式と呼ばれる右腕を伸ばした独特のフォームから繰り出す直球を軸に自己最多の11三振を奪った。チームは3連勝でセ・リーグで30勝一番乗り。高卒2年目がチームの首位快走を支えている。 試合結果

 腕を後ろに伸ばしてから振るスリークオーター。戸郷は、この独特のフォームから繰り出す威力十分の直球を軸に強気に攻める。この日もスタイルは変わらなかった。

 「自分の投球の軸になる真っすぐで三振を取りたい。それで打ち取ってどんどん自信をつけたいのもあり、今日は直球で押していこうかなと思いました」

 5日に甲子園で10三振を奪った相手に、毎回の自己最多11奪三振。言葉通り、うち7個は直球で奪い、6回2/3を無失点。プロ初の中5日のマウンドでも球威は衰えなかった。

 この「アーム式」とも呼ばれるフォームの原点は幼少期の川遊びにある。父・健治さん、2歳上の兄・悠大さんと川で石を投げ水切り遊び。河原で平らな石を探し、悠大さんと水面をはねる回数を競った。

 この時にサイドスローのように何度も石を投げた経験が、大きく影響した。巨人では、通算135勝の江川卓も小学生時代、自宅近くの天竜川で水切りや石の対岸への遠投で地肩を鍛えた一人だ。アーム式は強い球が投げられる半面、ケガのリスクが大きいと言われる。ただ、これまで大きなケガがない。それは肩周りの関節の柔軟性があるからだ。球の出どころが見やすいという弱点も、腕の振りの速さでカバーする。

 母校・聖心ウルスラ学園でも入学当時、総監督を務めていた石田敏英氏も「持って生まれたもので、変えさせないほうがいい」と矯正されることなく、プロ入り後も「変えるつもりはない」と自身のフォームに強いこだわりを見せる。

 チームを両リーグ30勝一番乗りに導いた。菅野の8勝に次ぐ6勝目に「菅野さんも連勝続きで僕もそのレーンに乗っていけるようにと思ってやっている」。エースの背中を追うように成長を続ける。(田中 健人)

 ▼巨人・原監督(戸郷について)一つずつ階段を上っているところ。もっともっと大きな投手になることが彼の目標。できたてほやほやのスターター(先発投手)ですから育てることはとても大事だと思っています。

 ○…戸郷(巨)が今季6勝目。自己最多の11三振を奪ったが、規定投球回不足ながら47回を投げ54奪三振。奪三振率は10・34と高く、セで投球回40回以上の19人中では今永(D)の10・70に次ぎ2位になる。また、8月は3試合に登板し3勝0敗、防御率0・47。セで今月3勝は同僚の菅野(8月防御率1・17)と並び最多。巨人投手で高卒2年目までに月間MVPを獲得すると87年7月の桑田以来33年ぶりとなるがどうか。

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