巨人の好調支える元木ヘッド ぶれない信念“言うべきことは言う”

[ 2020年8月19日 09:30 ]

巨人・元木ヘッドコーチ
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 リーグ2連覇に向けて首位を快走する巨人。順調に白星を重ねる要因はいろいろあるが、コーチとしてチームに加入して2年目の元木大介ヘッドコーチ(48)の存在も大きい。

 試合中、巨人ベンチでは、元木ヘッドが選手のもとに歩み寄る姿がたびたび見られる。その理由を本人は「試合中でも思ったことは言った方がいいかなと思って。カッカする選手は試合終わってから言いに行くし、その辺は選手の性格を見てやっているつもり。ふんぞりかえっているのがヘッドコーチではないからね」と説明する。

 例えば、7月29日のDeNA戦。先発の戸郷が4回2死からロペスを3球三振。元木ヘッドはベンチに戻ってきた20歳右腕に声をかけた。「3球目のボールに対して注意というか、あそこは1球外すボール。それが甘く入ってストライクになった。“いいストライクではない、悪いストライク”だと。ストライクだからOKというのは、結果オーライ。あれが打たれたらもったいない」。実際、この回の先頭のソトに2球で追い込みながら3球目を中前打されていただけに、鉄は熱いうちに打ったわけだ。

 選手にだけではない。打線が低調だった8月8日の中日戦では、現状打破のため重信の7月19日以来の先発起用を原監督に進言。また先発の畠と炭谷のバッテリーが6回まで中日打線を無失点に抑えていたため、7回の攻撃で出塁した炭谷に代走を出さないように提案した。

 しかし、結果的にはこの回に得点できず、重信も無安打に終わり、試合は逆転負け。「(重信は)結果が出なかったね。(代走を出さなかったのは)銀(炭谷)と畠がよかったからね。結果的に作戦ができなかったのは、俺のミスだね」と猛省していた。

 「野手にも投手にも、監督にも直接言っていかなきゃいけない立場。選手だけに言って監督にごますっているのはヘッドではない。監督にだって言うし、怒られることもある。選手を怒るときもあれば、ほめることもある。そういうのが全部言えるのがヘッドコーチだと思う」

 自分より立場が上だろうが、下だろうが“チームのために言うべきことは言う”。元木ヘッドには、ぶれない信念がある。(記者コラム・青森 正宣)

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2020年8月19日のニュース