田淵幸一氏 殿堂入り表彰式「野球人生最後の勲章」 盟友・山本浩二氏から花束「長生きしような」

[ 2020年8月19日 05:30 ]

記念のレリーフを贈呈された田淵幸一氏(代表撮影)
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 今年1月に競技者表彰のエキスパート表彰で野球殿堂入りした元阪神、西武の田淵幸一氏(73=スポニチ本紙評論家)の表彰式が18日、都内のホテルで行われた。レリーフを贈呈され「このような名誉な、野球人生最後の勲章を頂き、何も言うことはありません」とあいさつした。

 昨年、がんで闘病していた元広島監督の山本浩二氏がゲストで出席。法大時代には山本氏、富田勝氏と「法大三羽ガラス」として活躍し、ライバル・明大には星野仙一氏がいた。「ブチ、おめでとう」と祝福され、花束を贈呈された田淵氏は「長生きしような」と声を掛けた。

 山本氏、星野氏に次いでの殿堂入り。18年1月に死去した生涯の友・星野氏とは08年北京五輪や阪神、楽天で監督とコーチとして苦楽をともにした。今でも一緒にキャッチボールをする夢を見るという田淵氏は「ここにもう一人、星野仙一という男がいたらなあ…」。そして「志半ばで旅立った仙ちゃんのためにも、闘病生活を経て帰ってきた浩二と一緒に、野球界の発展のために尽力していこうと改めて決意しました」と球界への恩返しを誓っていた。

 ◆田淵 幸一(たぶち・こういち)1946年(昭21)9月24日生まれ、東京都出身の73歳。法政一から法大に進み、東京六大学リーグ新記録(当時)の22本塁打を放った。68年ドラフト1位で阪神入団。69年に新人王に輝いた。79年から西武でプレーし84年限りで現役引退。通算成績は1739試合で打率.260、474本塁打(歴代11位)、1135打点、18盗塁。75年に本塁打王、72~76年にベストナイン。90~92年にダイエー(現ソフトバンク)監督。阪神、楽天、北京五輪野球代表のコーチを歴任した。

 ▽野球殿堂 日本野球の発展に貢献した人たちの功績を称え、顕彰することを目的に1959年(昭34)に創設された。プロ野球で功績のあった競技者表彰(プレーヤー表彰、指導者も対象にしたエキスパート表彰)と、審判員やアマチュアを含め球界に貢献のあった人が対象となる特別表彰がある。選出はいずれも投票で75%以上の得票が必要で、競技者表彰のプレーヤー表彰は取材経験15年以上の記者(約360人)が投票。今回で競技者表彰98人、特別表彰109人となった。

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