阪神・糸井 6試合ぶりスタメンで復活の3安打 三塁打は1年ぶり

[ 2020年8月16日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神10―2広島 ( 2020年8月15日    京セラD )

初回1死、三塁打を放つ糸井(撮影・平嶋理子)                                                        
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 右膝に不安を抱えながらも全力疾走した。6試合ぶりの先発出場だった阪神・糸井が15日の広島戦で初回1死、大瀬良の直球を右中間へ。高々と打ち上げた打球が右翼・鈴木誠のグラブをかすめてフェンスにワンバウンドしたのを確認すると3つめのベースに向かって猛烈スライディング。昨年5月30日巨人戦以来の三塁打となり、サンズの適時打で先制の生還を果たした。

 2―1の3回1死では左前打で出塁し、2死後にボーアの右前打で二塁から激走生還。5回無死二塁では中前打して、7月18日中日戦以来、16試合ぶりの適時打を放った。今季2度目の3安打をマークしたところで、ベンチの戦略的な理由による代走で交代を告げられたが、糸井の中では最後まで出られるほどの闘志が宿っていた。
 「チームが勝ってよかった。それだけです。西、ナイスピッチング」

 前回先発した8日の広島戦は敗れており、短い言葉にはチームへの思いを込めた。10日からのDeNA3連戦を欠場。ベンチ入りしながらの3試合連続欠場は、日本ハム時代の11年10月13日から16日の4試合以来だった。コンディション不良も一因となり、7月は月間打率・188。8月も調子は上がらず、14日の試合前に早出特打を行うなど懸命に前を向いてきた。

 因縁の舞台だった。昨年8月9日に同じ京セラドームで、広島・大瀬良と対戦して左足首を負傷。同10月に手術した。術後3カ月の1月自主トレではすでにオリックス・吉田正、日本ハム・西川らと毎日10時間近く練習していた。ベストナイン2回、ゴールデン・グラブ賞3回受賞の経験がある11歳下の西川が「僕ら以上にストイックなところは勉強になります」と驚くほどで、手をマメだらけにして体にムチを打っていた。シーズン途中での戦線離脱に心を痛めながらも20年シーズンに切り替えたが、その思いがこの日の3安打に込められているといっても過言ではない。(長谷川 凡記)

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2020年8月16日のニュース