中京大中京・高橋宏斗 初陣で150キロ台連発 ざわつくスカウト陣「マー君みたい」「馬力は奥川より上」

[ 2020年8月2日 05:30 ]

愛知大会4回戦   中京大中京5-1栄徳 ( 2020年8月1日    岡崎市民 )

<中京大中京・栄徳>9回無死、栄徳・猪熊(2番)に投げ込む中京大中京・高橋宏斗(撮影・坂田 高浩)
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 都道府県高野連による独自代替大会は1日に36大会192試合が開催され、愛知では大会初登板だった中京大中京・高橋宏斗投手(3年)が150キロ超の直球を連発して逆転勝利の原動力となった。和歌山では今秋ドラフト候補の智弁和歌山・小林樹斗投手(3年)が最速149キロを計測して4回1失点の好救援。山形、宮城、宮崎では決勝が開催された。

 チームを勝たせるのがエースの任務なら完遂と言っていい。0―1の劣勢だった4回1死一塁で救援。高橋宏が今大会初登板に奮い立った。5球目に最速152キロをたたき出し、3球目から4球連続で150キロ以上を計測するなど、この回を全10球の直球勝負で三振と遊ゴロに抑え、流れを一気に引き寄せた。

 「無失点で抑えることはもちろん、チームに流れを持ってくることをテーマとしてやっているので、それは良かったと思います」

 5回2死一、三塁でも高めの150キロで力ない左飛に退け、6回以降は二塁すら踏ませない。8回にも151キロを計測するなど球威は最後まで衰えず、5回2/3を投げて3安打7奪三振無失点。昨夏愛知大会準決勝で優勝した誉に6回1/35失点で敗れ去った因縁の岡崎の地で、華々しく夏の扉を開けた。

 150キロ台は計18球。平均球速148・7キロの直球を連発した剛と、変化球で幻惑する柔の両面を持ち合わせる右腕にプロ5球団のスカウトもくぎ付けだ。楽天の後関昌彦スカウト部長は「マー君(田中将大=ヤンキース)みたい。気持ちをガンと出してくる。チームの補強ポイントにもよるだろうけど、(プロ志望届を)出せば12人には入る」と1位候補として評価。阪神の筒井和也スカウトも「貫禄ですね。体の馬力は奥川(恭伸=ヤクルト)より上だと思います」と絶賛した。

 高橋宏は今年6月に「(プロへ)行くなら第一線でやりたい。基礎から大学で学ぶことも大事」と進学を基本線とする考えを明かした一方、1日に解禁されたプロ志望届を提出する可能性もわずかながら残す。最終決断の時まで注目を集めることになりそうだ。

 「153キロを出したこともあるので、スピードとしてはいまひとつ。回を重ねるごとに真っすぐに合わせられましたし、球の質もまだまだです」

 155キロ到達を公言するだけに、まだ満足はしない。照準を合わせるのは12日の智弁学園(奈良)との交流試合。「ピークを12日に持っていくと決めています。状態はまだまだ上がっていく」。聖地で披露する“完全体”に末恐ろしさを感じさせる71球だった。(北野 将市)

 【高橋アラカルト】
 ☆生まれ&サイズ 2002年(平14)8月9日生まれ、愛知県尾張旭市出身の17歳。1メートル83、83キロ。右投げ右打ち。
 ☆球歴 三郷小2年から「三郷ファイターズ」で野球を始め投手兼遊撃手。6年時にドラゴンズJr.入り。尾張旭東中では「豊田シニア」でプレーし3年時に全国大会16強。中京大中京では1年夏からベンチ入りし2年春から背番号1。最速153キロ。
 ☆好きな選手、ライバル ソフトバンク・千賀。愛知県瀬戸市の自宅から通学中は主に野球の動画観賞でスマートフォンの通信代がかかるのがちょっとした悩み。ライバルは並んで“世代No・1”と称される明石商・中森俊介。
 ☆好きな食べ物 甘いもの。新型コロナウイルス感染拡大前の昨年末の愛知県選抜での台湾遠征中には、現地のタピオカに舌鼓を打った。

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