仙台育英、2度目の4連覇 “3年生の絆”40人全員出場で魅せた「集大成」

[ 2020年8月2日 05:30 ]

宮城大会決勝   仙台育英8―2仙台 ( 2020年8月1日    楽天生命 )

<仙台育英・仙台>優勝を飾りスタンドの声援に応える仙台育英ナイン(撮影・西尾 大助)
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 王者の意地と3年生の意地。94~97年以来となる2度目の4連覇を3年生40人だけで勝ち抜いた。仙台育英(宮城)の主将で1番の田中祥都(3年)は言った。

 「本来なら、20人しかベンチ入りできない。こういう問題(コロナ禍)があったからこそ、全員出場で3年生の集大成を見せることができた」

 3年ぶりに出場を決めていたセンバツがコロナ禍で中止に。5月1日だった。3年生の最後の夏をどう終わらせていくか――。須江航監督と全部員が話し合い「3年生全員の出場」と「優勝」を目指すと決めた。相反する2つの目標に、エース左腕の向坂優太郎(3年)は「(実現できるか)不安もあった」と振り返る。それでも須江監督は「(活動休止明けの)5月の最終週に集まった時、3年生全員がフィジカル、技術を高めて帰ってきた」と自信を見せた。

 夏の甲子園も中止となり、迎えた代替大会。例年と違い、毎試合ベンチ入りメンバーを入れ替えることができ、準決勝までで3年生40人が出場を果たした。決勝のテーマは「魅せる」。3年生は「先輩として1、2年生に素晴らしい野球を魅せよう」と誓い合った。主将の田中は2回に左越え2点二塁打を放つなど3安打3盗塁。向坂も6回3安打無失点8奪三振で魅せた。

 9日から東北大会、15日には甲子園交流試合で倉敷商(岡山)と対戦する。須江監督は「苦しい思いをしたのは1、2年生も一緒」と今後は競争させる考えだ。3年生だけで4連覇を成し遂げた仙台育英が「完全体」で東北王者を目指す。 (柳内 遼平)

 ◆仙台育英 1905年(明38)に創立した育英塾を母体とする私立校。野球部は30年に創部され、63年夏に甲子園初出場。春夏合わせて3度準優勝するなど通算48勝(春12、夏36)。OBに上林誠知(ソフトバンク)、梅津晃大(中日)、平沢大河(ロッテ)ら。校長は加藤雄彦氏。

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2020年8月2日のニュース