広島・安部 テニスのフェデラー手本に三塁奪取だ!「一番のテーマは脱力」

[ 2020年5月5日 05:30 ]

広島の安部
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 広島・安部友裕内野手(30)が4日、本拠地で野手の分離練習に参加し、逆方向へのライナーやアーチを連発した。習熟に励む脱力打法の成果。手本の選手には、男子テニス界「BIG3」の一角を成すロジャー・フェデラーの名前を挙げた。開幕後のサード定位置奪取へ。延期期間を活用し、手抜かりなく準備する意気込みだ。

 前日の荒天が一転、汗ばむ陽気のマツダスタジアム。安部は一連のメニューを消化すると、三塁ベンチ前で恒例のロングティーに挑んだ。打球は鮮やかな放物線を描き、面白いようにレフトスタンドへ。意図的なバックスピンの産物だった。

 「今はスピンをかけて打つようにしています。(バットに球を)乗せて打つよりも逆方向にしっかり入っていけるし、打ち方が悪いと飛ばなくなるので、その確認も含めて」

 先立つフリー打撃でも気持ちのよい快音を響かせた。「ポイントを若干近づけ、左中間をぶち抜くイメージ」と言う通り、センターから逆方向へ糸を引くライナーを連発。それもこれも、延期期間中を活用して習熟に励む打法の成果だった。

 「一番のテーマは脱力です。僕はどうしても力感でやってしまいがち。強く打ちたい、投げたい時にガッと。でも、速く走りたいと思えば思うほど前に進まない。(力を)使うべきところでスパッと使えるように」

 昨春から意識していた脱力。ただ頭では理解しても、体は思うように動かなかった。それが延期決定後の練習中に“アッ、ここで力を抜くんだ”という感覚がつかめたという。手本には、男子テニスで数々の金字塔を打ち立てた名手を挙げた。

 「例えばロジャー・フェデラー。テニスはよく見るんです」

 その最大の特長は、腕をムチのように使う脱力系スイングだ。目指すのは、トップまでの自然な動きからインパクトで100%の力を発揮するフォーム。安部は同様に、脱力打法の好例としてドラフト同期で4歳年上の松山の名前も挙げた。

 「自分の立場は理解しているし、考えても仕方がない。それよりも、いかにうまくなるか。その時のために準備するだけ。いつでも来い…という気持ちで毎日やっています」

 目指すサードの定位置は現状、新外国人のピレラにアドバンテージがある。が、“脱力フェデラー打法”習熟の暁には必ず――。13年目の30歳。実戦再開後をにらんで必死に牙を研ぐ。(江尾 卓也)

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2020年5月5日のニュース