日本ハム栗山監督、今季終了後に進退伺 8月20敗で大失速…3年連続V逸の責任重く

[ 2019年9月24日 06:00 ]

ZOZOマリンのファンにあいさつする栗山監督(撮影・長久保 豊)
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 クライマックスシリーズ(CS)進出を逃し、今季の5位以下が確定している日本ハム・栗山英樹監督(58)が全日程終了後、球団に進退伺を出す意向であることが23日、分かった。16年日本一など、12年の監督就任から8年間で2度のリーグ優勝を果たしたが、今季は8月に月間20敗を喫するなど3年連続V逸の責任を重く捉えている。現時点ではコーチ人事も含め、去就は白紙の状態となっている。

 ファンに3年連続で優勝の喜びを届けられず、栗山監督は責任を強く感じているという。早ければ、今季最終戦となる27日のオリックス戦(札幌ドーム)後にも球団に「進退伺」を提出する意向で、吉村浩GMら球団幹部との会談も行われる見込みだ。

 今季は先発に短いイニングを任せる「栗山流オープナー」や極端な守備シフトを敷くなど、常識にとらわれない大胆采配を連発。7月終了時は首位と0・5ゲーム差の2位だった。ところが、開幕前に右腕を負傷した昨季10勝のマルティネスや、6月に打球を左膝に受けて骨折した上沢の不在の影響が少しずつ表れ始めた。8月に入ると一丸野球も息切れ。球団ワーストの月間20敗を喫するなど大失速となった。長期的視野で清宮ら若手に経験を積ませながら立て直しを図ったが、22日のロッテ戦に敗れ、139試合目でCS進出の可能性が消滅した。

 チームの弱い部分をサポートするために加入した外国人選手も軒並み期待を裏切った。1軍登板なしの2年目・マルティネスだけでなくハンコック、バーベイトの両右腕も力を発揮できず、今季から3年契約を結んだ王柏融(ワンボーロン)も打率・255、3本塁打、35打点。栗山監督は「今いるメンバーがベストメンバー」と言い続けたが、助っ人たちの不振が今季低迷の大きな要因の一つとなった。

 スポーツキャスターから異色の転身となった栗山監督は、就任1年目の12年にいきなりリーグ優勝を飾った。同年ドラフト会議ではメジャー志望の大谷翔平(現エンゼルス)を強行指名。「投打の二刀流」として育て上げ、16年には10勝&22本塁打をマークして2度目のリーグ制覇、そして日本一を達成した。

 8年間で5度のAクラス入り。それでも17年が5位に終わると、昨季は今年同様に夏以降に失速して3位。今年で3年連続V逸となり、栗山監督は事あるごとに「ファンに申し訳ない」と繰り返していた。

 来季も指揮を執れば9年目となるが、現時点で去就はコーチ人事も含めて白紙。退任なら後任人事や組閣を急ピッチで行わなければならない事態となる。この日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で対応した吉村浩GMは「“シーズンが終わるまで(去就の)話をしない”という監督の意向もあるので、終わってから話をします」と語るにとどめた。今後の動向が注目される。

 ◆栗山 英樹(くりやま・ひでき)1961年(昭36)4月26日生まれ、東京都出身の58歳。創価から東京学芸大を経て、83年ドラフト外で内野手としてヤクルト入団。2年目に外野手に転向し89年にゴールデングラブ賞獲得。90年に体調不良を理由に29歳で現役引退。その後はスポーツキャスターとして活躍し11年11月に日本ハム監督就任。1年目の12年にリーグ優勝、16年に日本一を達成した。

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