投手王国オリックスにはまだまだ逸材が!あの“都立の星”が確実に成長

[ 2019年6月26日 09:00 ]

オリックス・鈴木優
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 オリックスには山岡、山本、榊原ら他球団がうらやむほどの先発投手がいる。さらにここに来てK―鈴木、荒西、田嶋、竹安らも台頭してきた。しかし、そんな投手王国に、まだまだとんでもない逸材が隠れている。5年目の右腕、鈴木優だ。

 とんでもない、は決して大げさではない。現在、2軍戦で7試合連続無失点中。27イニング連続で1点も取られていないわけで、ゆうに3試合、完封してしまった数字だ。最後に失点したのは4月24日のウエスタン・リーグ、中日戦。もう2カ月も前のことだが、ちなみに、その試合も自責点は0だった。最後に自責点が付いたのは、4月3日の同ソフトバンク戦。ここまで12試合に登板して防御率0・55。いくら2軍戦とはいえ、まぐれでこんな数字は出ない。

 「それが、不思議と実感がないんですよね。腕を振っていないからか、抑えている感覚がないんです」

 本人はいたって冷静だが、話を聞くとうなづける。これまで10割の力で投げていたものを、直球は6割程度で投じている。「力まずに、軽く投げるような感じで」。そのせいで、打者を牛耳るような感覚がないのだという。ただし、軽く投げてもMAXは150キロをマーク。打者からするとタイミングが取りづらいだろう。一方で得意球のツーシームは、思い切り腕を振って投げる。カウント不利な状況でも、打者はツーシームを打たされ、内野ゴロの山を築き、終わってみれば無失点が続いている。まさに勝てる投球だ。
 「色々な方に教わったことが“いいとこ取り”みたいな感じで、うまくはまっているのもあるんです」

 いいとこ取り。その内容は、こうだ。投球フォームについては、小林2軍投手コーチと中垣パフォーマンスディレクターから指導を受け、小松2軍投手コーチからはスライダーを教わり、酒井育成担当コーチからは投球術を伝授された。2軍首脳陣が手塩にかけたおかげで、うまく軌道に乗ってきた。これこそ、育成の力とも言える。

 「去年までは自分のボールを投げようとして、自分と戦っている感じでした。正直、ちらちらスピードガンを見ていましたが、今は見ていません。今年は打者と戦えるようになってきました」

 MAXは153キロ。おそらく平均で150キロ近い数字を出しているが、本人は気にならなくなったという。もちろん、マウンドの足場なども気にならなくなった。昨年、U―23日本代表にも選出されるなど元々、能力はあった選手。自分との戦いを卒業し、1つレベルアップした格好だ。

 こうなると、早く1軍のマウンドが見たいと思うのは、ファンも同じではないか。ただし、悲しいかな、1軍を阻むのは投手王国の壁だ。そもそも、2軍でも本格的に場数を与えられたのは5月中旬以降の話。他球団の編成担当からは「干されているのか?」などと憶測が飛ぶほど、投手陣の層が厚く、チャンスも少なかった。

 「2年目に1軍に上げてもらったときは、ストライクが入るのかなとか、怖さがありましたけど、今はその怖さはなくなりました。先発で投げてみたい気もしますが、1軍は先発もいっぱいいるので、中継ぎでも、どちらでもいけるように準備したいです」

 最後の1軍登板から、もう3年が経つ。そろそろ1軍で、成長度を確認しても良い頃だ。都立雪谷高校出身。入団当初は「都立の星」として注目も集めたが、そんなニックネームも、もう古いかもしれない。(オリックス担当 鶴崎唯史)

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