阪神・矢野監督、原口サヨナラ打に男泣き「めちゃめちゃ感動しました」

[ 2019年6月10日 05:30 ]

交流戦   阪神4―3日本ハム ( 2019年6月9日    甲子園 )

9回、サヨナラ打を放った原口(左)と抱きあう矢野監督(中央)(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は9日の日本ハム戦でサヨナラ勝利。矢野監督は両手を高々と掲げると、殊勲者の元へ一目散に駆けた。手荒い歓喜の水シャワーを浴びる原口。その輪の中へ勢いよく飛び込み、思いっきり抱きついた。地鳴りのような大歓声が心地よく響く。大病を克服した男が放った炎の一撃に、身も心も熱くなった。直後の会見。インタビュールームに現れた指揮官の第一声は震え、涙がほおを伝った。

 「感動しましたね。めちゃめちゃ感動しました。俊(高山)が打って、北條がつないで、原口が決める。自分自身、こみ上げてくるものがありました。原口がヒーローですけど、その前の梅野がサードに走った盗塁。あれもみなさん、めちゃくちゃすごいんです。走る勇気。すべてね、本当に感動しました」

 幾重にも押し寄せる感動で言葉が言葉にならない。「泣いちゃった…」――。涙腺は何度も決壊した。感極まり、一度は会見を中断して別室に戻ったほど。水を飲み、心を落ち浮かせた30秒間。再び会見場に姿を現したが、また涙がほおを伝った。「もう最高です。きょうは味わわせてください、はい…」。大病を患いながら苦難を乗り越え、懸命に歩むその姿を見てきた。沈着冷静な指揮官でさえ感情の制御ができないほど心が震えていた。

 「(泣くのは)初めてちゃう? 自分では泣いたことないけど。勝って泣いたことないんだけど。もう優勝とかそういうことかなと思っていたけど」

 9回2死無走者から中前打で出塁した高山、右前打でつないだ北條。2軍監督時代から知る愛弟子の躍動に心が熱くなった。6回1死二塁から梅野が三盗。捕手の悪送球を誘って本塁へ生還した。8、9回は藤川がビシッと締めくくった。今季初のイニングまたぎは志願だったという。みんながヒーローの1日だった。「優勝して泣くつもりだったんだけど」。最後は照れくさそうに笑った。(吉仲 博幸)

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2019年6月10日のニュース