日本ハム「元甲子園球児」大暴れ!清宮は初V打&渡辺が初満弾「気持ちよかったです」

[ 2019年6月9日 05:30 ]

交流戦   日本ハム10-5阪神 ( 2019年6月8日    甲子園 )

7回、満塁弾を放った渡辺を笑顔で迎える清宮(中央)(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 懐かしの「聖地」で奮い立った。日本ハムが8日の阪神戦で今季5度目の2桁得点を奪い、3連勝につなげた。東海大甲府時代に4強に進出した渡辺諒内野手(24)がプロ6年目で自身初の満塁弾を放ち、同じく早実で4強の清宮幸太郎内野手(20)はプロ初の決勝打となる先制の右前適時打。出場18選手のうち14人が高校時代に甲子園を経験したナインが躍動した。

 裏の攻撃に備え、黄色いジェット風船で埋め尽くされた甲子園のスタンド。7回2死満塁、渡辺が2ボールから直球一本に絞ってはじき返した打球は、悲鳴を切り裂きバックスクリーンへ伸びた。5―0から試合を決めるグランドスラム。逆転を諦めたかのように、虎党が手放した風船が乱れ飛んだ。

 「(甲子園で)本塁打を打てたのはうれしかった。気持ちよかったです。(風船は)あー、飛んじゃったな、と」。15年以来となったこの球場での出場で初アーチの今季5号。4万超の敵地ファンを静まり返らせるには十分だった。

 13年ドラフト1位のプロ6年目。東海大甲府では1年時に2学年上の高橋(現中日)を押しのけて4番に座った。4強入りした2年夏の甲子園では、2回戦の龍谷大平安戦で本塁打。5試合で打率・316と爪痕を残し、「甲子園のダイヤモンドを回るのは最初で最後かもしれない」と当時話したが、7年後に続きがあった。「特別な場所。2年生の時に出ていなかったらここにはいない。成長させてくれた場所。戻ってこられたのはうれしく思う」。一回りたくましくなって帰ってきた。

 8回には、日大三時代に10年春準優勝、11年夏全国制覇の横尾がダメ押しの1号ソロ。高校、プロを通じて甲子園初アーチをかけ「感触は完璧。こういう一発で結果を出せるようにしたい」と喜んだ。05、06年夏、07年センバツに出場した中田は、今季初の代打出場で7回に二塁打。一塁走者・清水が本塁憤死して打点こそ挙げられなかったが「ナベ(渡辺)や横尾が活躍することで打線の厚みが増す。2人が活躍したから大勝できた」と若手の活躍に目を細めた。

 「スカウティングと育成」を球団理念に掲げ、甲子園のスターを次々と獲得してきた日本ハムらしいラインアップで3連勝。0・5ゲーム差で首位のソフトバンクをピタリと追う。かつて暴れ回ったグラウンドで、勢いを増してきた。(東尾 洋樹)

続きを表示

この記事のフォト

2019年6月9日のニュース