新井貴浩氏 交流戦注目は状態上向く清宮、昨年対戦で実力体感のオリックス右腕・由伸

[ 2019年6月4日 09:30 ]

日本ハム・清宮
Photo By スポニチ

 【新井さんが行く シーズン編】さあ、交流戦が始まる。普段はセ・リーグの試合を見ることが多いから、注目する選手をパ・リーグから挙げたい。打者では日本ハム・清宮幸太郎君、投手ではオリックス・山本由伸君だ。

 清宮君は復帰してから9試合39打席を消化し、ちょうど状態が上がってくる頃だろう。自他ともに大きな期待を持っていた2年目。故障で悔しい思いをしたと思う。これから昨季以上の打撃をきっと見せてくれるはずだ。

 山本君とはセットアッパーだった昨季一度だけ対戦。いい当たりはしたけど、右飛だった。直球は速いし、高速のカットボールが凄い。対戦したのは1打席でも、印象深い投手の一人だった。高卒3年目の今季は先発に挑戦して堂々の成績。近い将来、球界を代表するような投手になるんじゃないかな。

 交流戦は同じ先発投手との再戦がないから、たとえ抑えられても次を考える必要がない。切り替えやすい半面、受け身にならないようにと心がけた。同一リーグと対戦する時と同じようにミーティングで頭に情報を入れた上で、より積極的にいかないといけない。「こう来たか。次はどう来るのかな…」と後追いで考えているうちに終わってしまう。投手も同じだと思う。普段以上にアグレッシブな姿勢が大切だ。

 リーグ戦と違って“独り負け”もあれば、逆に“独り勝ち”もある。16、17年の広島は交流戦で勢いに乗ったし、昨季もヤクルトが交流戦で盛り返して最終的に2位になった。もちろん、一番の勝負どころはリーグ戦に戻って直接対決する夏場だと思う。その夏場にしっかり勝負できる位置にいられるかどうか。ペナントレースで大きなポイントになることは確かだ。

 個人的な思い出を挙げるなら、05年5月21日の楽天戦かな。同点の5回2死満塁で代打出場。有銘君から右翼席へ決勝本塁打を打った。4月から定着していた先発を外れた一戦。悔しさをぶつけて、数試合後に先発へ戻った。あの一発がなかったら初の本塁打王になれたかどうか。

 あれが交流戦元年だから、もう15年目を迎える。当初はホームとビジターで3試合ずつ、計36試合だった。07年からはホームとビジターで2試合ずつ。試合数は減っても、移動日を伴うし、やはり間延び感があった。ホームとビジターを隔年にして3連戦方式になったのは15年から。ベストかどうか分からないけど、新鮮味という点でもベターな形かな。ファンの皆さんも普段とは違う景色を楽しんでいただけたらと思う。(元広島、阪神内野手)
 

続きを表示

この記事のフォト

2019年6月4日のニュース