大船渡・佐々木 今季初登板で156キロ!新元号の怪物だ

[ 2019年4月1日 05:30 ]

練習試合   大船渡0―15作新学院 ( 2019年3月31日    矢板運動公園 )

作新学院との練習試合で3回1安打1失点と好投、最速156キロを計測した大船渡・佐々木
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 今秋のドラフト1位候補、大船渡(岩手)の佐々木朗希投手(3年)が31日、栃木県矢板市で行われた作新学院(栃木)との練習試合で今年の対外試合に初登板初先発し、3回1失点(自責0)に6奪三振と好投した。ネット裏に日米18球団、計46人のスカウトが集結する中で自己最速にあと1キロと迫る156キロも計測した。1日に発表される新元号の怪物候補として剛腕を発揮した。 

 2回1死三塁。カウント1ボール2ストライクから佐々木が投じた低めの直球に、作新学院・池田のバットが空を切った。この一球がソフトバンクのスカウトのスピードガンで97マイル(約156キロ)を計測。ネット裏からどよめきが起こった。結局、この回は無死三塁から3者連続奪三振。「ピンチの時は基本、三振を取りにいきます」と平然と言った。

 万全でなくても自己最速にあと1キロと迫った。気温6度に小雨が降る中で、さらに「あまりブルペンに入らなかったので心配だった。初実戦なので8割くらい」と佐々木。1年冬に腰を疲労骨折したことで「去年(1年時)に練習ができなかった分、重点的に練習しようと」と冬はウエートトレーニングに明け暮れた。ブルペン投球を始めたのは3日前の28日だという。それでも、この冬だけで約5キロ体重が増え、確かな球威増を生んだ。

 試合40分前の投球練習から、日本ハムのスカウトのスピードガンで149キロを計測。試合が始まれば、自身の失策で許した1失点のみで6三振を奪った。視察した巨人の長谷川国利スカウト部長も興奮し「14メートルくらいの距離から投げているみたい。直球の切れとか、今プロ野球に入っても3本の指に入る。表(先発3人)のローテーションにも入れる」と高校生に対してとは思えない評価を並べた。

 今春のセンバツに出場した「高校四天王」の星稜・奥川、横浜・及川(およかわ)の投球を目に焼き付けた。テレビ観戦し「奥川君、及川君は凄い。自分も負けないようにと刺激になった」。強豪校の誘いを断り地元・大船渡に進学。夏にかける思いも強い。「今のメンバーと甲子園に行くことに意味がある。こういう場所からでも行けるんだと証明したい」と力を込めた。

 高校生最速の花巻東・大谷(現エンゼルス)が持つ160キロ超えへの期待も高まる。「意識しなくても練習をしっかりすれば勝手に上がる。(状態が上がれば)160キロは出せそう」。新時代の怪物候補のスケールは果てしなく大きい。(武田 勇美)

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2019年4月1日のニュース