かつて広島から巨人にFA移籍した「微笑みのバズーカ」 丸は大先輩を超えられるか

[ 2019年2月21日 10:43 ]

巨人時代の江藤智
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 「微笑みのバズーカ」と呼ばれた男は今、何を思い、自身と同じように広島から巨人にFA移籍した丸をどう思っているのか。江藤智のことだ。

 「巨人を辞めることになったよ。プロ入りから30年間、ずっとユニホームを着てきたからね。少し休みたい」。昨年10月22日。3軍監督退任が決まった直後に連絡をくれた。律儀な江藤らしかった。1989年から広島でプレーし、現役生活21年。現役引退した翌年からコーチとなり、9年もユニホームを着続けた。「長かったね。1年くらい休みなよ。飲むときに誘ってよ」とねぎらった。ただ、その後、全く連絡がないのも江藤らしい。広島の先輩として、同じように「荒波」に飛び込んだ後輩の丸のことを聞いてみたいのだが…。

 99年オフだった。長嶋茂雄監督の「荒波に向かっていきなさい」というラブコールを受け、巨人に移籍した。当時の巨人には松井秀喜、高橋由伸、清原和博がいた。まさに「荒波」だった。00年の移籍1年目。広島時代に本塁打王を2度獲得したスラッガーは32本塁打、91打点を挙げ、4年ぶりのリーグ優勝に貢献。「ONシリーズ」と呼ばれた日本シリーズも制し、日本中が沸いた。

 心優しきスラッガーだった。最初のジャイアンツ球場での自主トレでは一緒に走る相手がおらず、一緒に走った。後日、「あのときのことは一生忘れないよ」と感謝してくれた。「打てないときは厳しく書いて。でも、打ったときはいい記事を書いてよね」と笑顔で言われた。01年も30本塁打を放った。しかし、02年以降は成績が下降し、04年の小久保加入後は出番が一気に減った。05年オフ、豊田のFA移籍に伴う人的補償で西武に移籍した。当時、「FA」と「人的補償」を経験した史上初めてのプロ野球選手になってしまった。

 丸も江藤と同じ30歳シーズンでの巨人移籍。2年連続でMVPに輝いているスラッガーとはいえ、名門球団への加入でもの凄いプレッシャーはあるだろう。しかも、巨人は球団ワーストタイの4年連続で優勝を逃しており、今季はV奪回が至上命題である。通算364本塁打を放った強打者・江藤。ただ、丸のことを聞ければ、その性格からして間違いなくこう言うだろう。「丸は俺よりも全然凄い選手だよ。全く心配ないでしょ。そう思わない?」。丸には江藤の移籍1年目を超える活躍をしてもらい、かつて同じ道を歩んだ大先輩を喜ばせてほしい。(記者コラム・飯塚 荒太)

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