17歳で急死した横浜高伝説の投手 渡辺前監督「総合的に松坂より上だった」

[ 2018年11月18日 20:33 ]

95年の神奈川秋季大会、丹波慎也さんの遺影とユニホームとともに戦う横浜高ベンチ
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 横浜高校出身の俳優・上地雄輔(39)と、同校の渡辺元智前監督(74)が18日、TBS系「消えた天才」(後7・00)にVTR出演。17歳の若さでこの世を去った同校史上最高の投手について語った。

 横浜高校時代、捕手として1学年下の松坂大輔(中日)の投球も受けたこともある上地。だが、自身の1学年上に松坂をもしのぐ天才投手が存在していたという。「漫画みたいな人で、一番の天才だったと思う。同じ時期で比べたら、松坂よりも間違いなく完成度が高かった」。

 その選手の名前は「丹波慎也」。実際に指導した渡辺氏も「総合的に見て松坂より上だった。ストレートの速さは松坂以上の選手になっていたかもしれない」と評するほど、同校の中で抜きん出た存在だった。

 しかし丹波さんは高校2年の秋季大会直前、17歳の若さで急死。死因は急性心不全で、兄・幹雄さんによると「練習試合の後、自宅で寝たまま亡くなった」という。

 エースで4番だった丹波さんを突然失った横浜高ナインは秋季大会への出場が危ぶまれるほどのショックを受けたが、丹波さんの母親から「慎也のためにも甲子園を目指してほしい」と言葉をかけられたことで一丸。神奈川県大会、関東大会を勝ち進み、見事に春の選抜大会に出場した。渡辺氏は「甲子園に出られないチームでもおかしくなかった。丹波が亡くなったことで一つになって戦ったチームだった」と振り返った。

 渡辺氏は現在も財布の中に丹波さんの投球写真を持ち歩いている。「すべての教え子にそれぞれ思いはあるけど、この丹波には特別な思いがある」。入学後初めてバッテリーを組んだ相手が丹波さんだったという上地は、番組スタッフから「もし丹波さんに会えたら何て言いたい?」と聞かれ「キャッチボールがしたい。それだけでいいかもしれない」と目に涙を浮かべていた。

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2018年11月18日のニュース