誠也お帰り4番弾!復帰後初の“定位置”で2戦連発OP戦3号

[ 2018年3月17日 05:30 ]

オープン戦   広島5―2ヤクルト ( 2018年3月16日    神宮 )

3回無死、鈴木が左翼へソロアーチを放つ
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 広島・鈴木誠也外野手(23)が右足首を骨折した昨夏以来の“定位置”で2試合連続アーチをかけた。16日のヤクルト戦に「4番・右翼」で先発出場し、先頭打者の3回に左中間席中段へ豪快なオープン戦3号だ。小雨が降る中、人工芝球場で実戦守備にも就き、完全復活に向けて順調にステップアップ。開幕4番を視界に捉えつつある。

 打った瞬間にそれと分かる当たりだった。赤ヘル党の「誠也、お帰りなさい」コールに呼応するように神宮の左中間席中段へ運んだ会心の一発。14日の日本ハム戦に続くオープン戦3号だ。

 「手応えはあった。しっかり捉えないといけないカウントだったので良かった」

 1―0で迎えた3回の先頭打者。2ボールから左腕・寺島の138キロの外角高め直球を逃さなかった。そのスイングスピードは東出打撃コーチをして「えぐい」と言わしめるほど進化。開幕後のアーチ量産に期待が膨らむ一撃だった。

 4試合連続で4番に入った松山がベンチスタート。右足首を骨折した昨年8月23日のDeNA戦以来の先発「4番・右翼」でまた一歩前進した。降雨の人工芝球場で初めて就いた実戦守備。5回裏に交代するまでソツなくこなした。

 「雨だったけど、そんなに嫌な感じはなかった。今までと変わらない感じでできた」

 走塁でも魅せた。初回1死一塁から四球で出塁し、エルドレッドが右前打を放った際に果敢な走りで三塁を陥れた。「今日は大丈夫だけど、人工芝で反動がどう出るか」。言葉は慎重でも表情そのものは明るかった。

 「一発で仕留めているからね。いい状態が続いている。結果も内容もいいし、自信にしてもらっていい」

 鈴木の4番について問われると、緒方監督はそう答えた。かねて「状態が上がれば、4番は誠也」と話しており、人工芝球場で右翼守備に就くテストをクリアしたことで次のステップに進める。

 「イニングや打席が増えて順調には来ているけど、最終的にはフルで守れないと、開幕は厳しいと思う」

 細心の注意を払いながら歩んできた完全復活への道。30日の中日との開幕戦での「4番・右翼」へ――。試練を経験した鈴木の背中を春の暖かい風が押し始めている。 (江尾 卓也)

【誠也の故障経過】

 ☆17年8月23日 DeNA戦の2回の右翼守備で右足くるぶし付近を痛めて交代。横浜市内の病院で「右脛骨(けいこつ)内果剥離骨折」と診断される。

 ☆8月29日 広島市内の病院で「右足脛骨内果骨折、三角じん帯損傷」の診断を受け、右足首の手術を受ける。全治約3カ月。

 ☆18年1月9日 マツダスタジアムで自主トレを公開し、キャッチボールや打撃練習。

 ☆2月1日 1軍でキャンプスタート。負傷後初のベースランニング。翌2日には屋外でフリー打撃に臨み、89スイングで柵越え8本。

 ☆2月18日 中日との練習試合で実戦復帰。4回に代打で初球を左越えソロ。

 ☆3月3日 西武とのオープン戦で3回に代打で出場。オープン戦1号となる左越え2ラン。

 ☆3月10日 ヤクルトとのオープン戦に「5番・右翼」で実戦初スタメン。199日ぶりに実戦で外野守備に就く。

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