西武復帰の稼頭央、同い年上原も古巣へ ともに生き残りへ静かな闘志

[ 2018年3月17日 10:00 ]

15年ぶりに西武に復帰した松井
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 白い工事用フェンスの向こうから、重機のエンジン音と、アスファルトを砕く衝撃が響いてくる…。西武の本拠地・メットライフドーム周辺では、約180億円をかけての改修がスタート。17日は西武にとって今季初めての本拠地でのオープン戦が巨人を相手に行われる。

 帰ってきた。テクニカルコーチ兼任の松井稼頭央外野手(42)は15年ぶりにライオンズのユニホームに袖を通し、そして移籍後初めて本拠地のグラウンドに立った。プロ1年目の94年。西武球場と呼ばれていた本拠地には屋根はなかった。久々に本拠となったスタジアムは屋根に覆われ、新たな改修が始まった。プロ25年目。松井が刻んできた歴史や経験を古巣に還元するシーズンは、開幕まであと2週間に迫った。

 「やっぱユニホーム似合ってるわ…」。1週間ほど前、その松井が目尻を下げながら言った。古巣・巨人に復帰し、入団会見を行った上原のユニホーム姿についての感想だった。同じ75年生まれで、ともに大阪出身の同い年。なかなか所属先が決まらなかった時期も、心の片隅で気にかけていた。「あれだけ練習できるし、体も動いている。遠投を見ていても、あれだけ投げられる選手は、なかなかいない」。グループこそ違えど、1月の自主トレも長らく、都内の同じグラウンドで行っている。メジャー移籍、そして今回の日本球界復帰は松井も経験してきた道。上原とともに、お互いが古巣で戦力になるために力を尽くすだけだ。

 その上原は17日に3度目のフリー打撃登板に臨み、次回はいよいよオープン戦登板になる予定。ともに43歳になる2人が対戦できるのは、レギュラーシーズンでは交流戦のみだ。「対戦?そうやね…、対戦か。楽しみやね」。松井は言葉を選びつつ、世代交代という改修作業が進むなかでの生き残りへ、静かに闘志を燃やしている。(記者コラム・春川 英樹)

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